(ブルームバーグ): トランプ米大統領は28日、新たな中東和平案を発表した。イスラエルとパレスチナの「双方にとってプラスとなる」解決策をもたらし、中東地域をより安全にするための詳細な計画だとしたが、パレスチナ側と一部のアラブ諸国は反発している。

  同日夜のホワイトハウスでのイベントにイスラエルのネタニヤフ首相と共に臨んだトランプ氏は、「テロの排除」といった主要な条件が満たされればパレスチナ国家の樹立を認めると表明。和平案はイスラエルとパレスチナ国家の「2国家共存」への移行に道を開くものだと述べた。また、エルサレムはイスラエルの「不可分の首都」であり続けると述べ、カジノ業界の大物で共和党の大口献金者でもあるシェルドン・アデルソン氏ら出席者から喝采を浴びた。

  トランプ氏が11月の大統領選で再選を目指す上で、イスラエル寄りの内容の和平案は同国を支援するキリスト教福音派やユダヤ系保守層の間で支持拡大につながる可能性がある。

  ただ、ホワイトハウスの外では、今回の提案が機能しないことは最初から明白との見方が強い。和平案についてパレスチナ側への相談はなく、ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地の存続を認めるなど、この日公表された詳細の多くがパレスチナ側に受け入れ困難であることは間違いない。

  パレスチナ自治政府のアッバス議長はトランプ氏の提案に対し、「『ノー』だ。千回でもそう言う」と述べた。米国の同盟国であるヨルダンも反発している。

  パレスチナ解放機構(PLO)の交渉担当当局はツイッター投稿で、米国の和平案について、「パレスチナ国家に帰属する土地をイスラエルが違法に占領・植民地化しているのを承認するものだ」と批判。イスラム原理主義組織ハマス幹部のハリル・ハヤ氏は、「ナンセンスだ。敵対的な案で、撤回されるまでパレスチナ人はあらゆる手段を使って対抗策を講じていく」と語った。

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