(ブルームバーグ): 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は29日、新型コロナウイルスの感染拡大について、中国経済に打撃を与え、さらに波及する可能性もあるが、米国にどのような影響を及ぼすか判断するのは時期尚早だとの見解を明らかにした。    同議長は連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、「われわれは非常に慎重に状況を見守っている」として、「少なくとも短期的に中国の生産に影響するのは明白だろう」と述べた。

  同議長は貿易を巡る緊張の緩和など「世界の成長が安定化しつつある可能性を示す若干の兆候がある」と述べる一方、「しかしながら、見通しに関して不確実性が残っている」とし、それには新型コロナウイルスが含まれると指摘。ただ今後どの程度影響が広がるか非常に不透明だとした。

  2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)は、中国経済に大打撃を与え、経済成長の鈍化を招き、サービスセクターの落ち込みが最も目立った。しかし、当時の中国が世界経済成長に占めるウエートは4%程度と、現在の17%に比べて小さかっただけに、今後同国経済がつまずけば、悪影響はさらに拡大する恐れがある。

  ブルームバーグのチーフエコノミスト、トム・オーリック氏は、感染拡大が中国の経済成長に著しい悪影響を与える可能性があるというのがSARSの教訓だと述べ、「そうした状況が再発すれば、世界経済における中国の役割拡大に伴い、影響は著しく強まるだろう」と指摘。一方で、「SARSのもう1つの教訓は、流行の初期段階でのパニック反応がリスクを誇張する可能性がある点だ」と付け加えた。

(エコノミストのコメントなどを追加して更新します)

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