(ブルームバーグ): 北朝鮮の最高指導者となって以降、大半の時間を核兵器の性能向上と大型化に費やしてきた金正恩朝鮮労働党委員長だが、今は発見されにくいよう核兵器を海中で展開することに取り組んでいる可能性がある。

  北朝鮮の新たな潜水艦と潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)試射を巡るニュースが最近伝えられ、潜水艦こそ金委員長が今年明らかにすると表明した「新戦略兵器」ではないかとの観測が強まっている。

  ノイズが探知され追跡されることなく遠海まで進むことは不可能だろう潜水艦だが、金委員長の狙いには十分かもしれない。

  偵察衛星の目をくぐり抜ける潜水艦が1隻でもあれば、有事に備える米軍当局とって考慮すべき新たな脅威となる。金委員長にとっては、米国に実戦を思いとどまらせるものは何であれ、目標達成に近づくことを意味する。目標とはつまり、核保有国としての国際的な認知だ。

  米科学者連盟(FAS)の非常勤シニアフェロー、アンキット・パンダ氏は「戦争計画に関して言えば、米国と韓国、日本は海面下の核の脅威を深刻に受け止め、対潜水艦での有事計画を立案する必要がある」と指摘した。

  金委員長は昨年末の党中央委員会総会で、「世界は近い将来、北朝鮮が新たな戦略兵器を保有するのを目にするだろう」と述べた。

  戦略兵器には高度な大陸間弾道ミサイルや破壊力を高めた核兵器などあらゆる武器が含まれる可能性がある。ただ、北朝鮮はすでにミサイル搭載潜水艦隊の拡充に「多大な努力」を払ってきたことを公にしている。

 

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