(ブルームバーグ): トランプ米大統領のウクライナ疑惑を巡る上院の弾劾裁判は5日、権力乱用と議会妨害の2つの条項について、いずれも大統領に無罪評決を下した。

  与党共和党と野党民主党が激しく対立した歴史的な弾劾裁判はこれで終了し、トランプ大統領の行動の是非は11月の選挙で有権者の審判を受けることになる。

  トランプ氏は米国で弾劾訴追された3人目の大統領。過去2件の弾劾裁判も無罪評決が下されていた。共和党ではミット・ロムニー議員のみが、ウクライナ疑惑に絡む権力乱用について造反したが、議会妨害に関しては無罪に投票した。評決結果は権力乱用条項が無罪52、有罪48、議会妨害条項では無罪53、有罪47だった。

 

 弾劾裁判の裁判官を務める連邦最高裁のジョン・ロバーツ長官がトランプ大統領の無罪を言い渡し、裁判は終了した。この結果、トランプ大統領は議会の制約を受けず、再選に向けた選挙戦に臨むことができる見通し。

  トランプ大統領はツイッターで、米東部時間6日正午(日本時間7日午前2時)からホワイトハウスで国民向け演説を行うとし、「弾劾のでっち上げに対する米国の勝利について話す」と説明した。

  大半の共和党議員は、たとえトランプ大統領がウクライナ大統領に圧力をかけるために軍事支援を凍結したとしても、それだけでは罷免の理由に不十分だとのトランプ大統領の弁護団の主張を受け入れた。トランプ大統領はバイデン前副大統領とその息子の調査を行うと発表するようウクライナ大統領に圧力をかけたとされている。

  トランプ陣営の2020年選対本部長を務めるブラッド・パースケール氏は、トランプ氏は「無実が完全に証明された」とし、弾劾プロセスは「ひどい試練」だったと述べた。マコネル共和党上院院内総務は弾劾裁判について、民主党の「極めて大きな政治的誤り」だと批判した。

世論は二分

  トランプ大統領の罷免を実現できなかったことで、民主党は今後、弾劾裁判の政治的影響への対処を迫られる見込み。共和、民主両党とも11月の大統領選に向け弾劾裁判を自党に有利な材料にしたい考えだ。

  裁判の終了までに公表された複数の世論調査は、トランプ大統領を罷免すべきかどうかで世論が二分していることを示していた。

(背景などを追加して更新します.)

©2020 Bloomberg L.P.