(ブルームバーグ): 7日の株式市場で、ウイルス対策関連製品を扱う企業など小型の医薬品株を物色する動きが活発化している。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号で、新たに41人の陽性が確認されたことで、感染拡大の強い勢いに対する懸念が改めて意識されている。

  新型ウイルスの遺伝子配列をもとに新型ウイルスの検査キットを開発している栄研化学株が一時5.1%高の2393円。サージカルマスクを販売する川本産業が一時24%高の1907円まで急伸した。ほかにも除菌剤販売の大幸薬品が3.8%高、中京医薬品が11%高などとなった。

  東洋証券の大塚竜太ストラテジストは、クルーズ船内で一気に感染が広がったことについて「拡大抑制への期待を裏切るほどの衝撃」と話す。ウイルス対策関連商品を扱う小型企業への業績インパクトが大きくなるとの見方から、市場に短期資金が流入して、実際に新型ウイルス対策に効果があるどうかかは別にしても関連銘柄に連想買いが入っているという。

  川本産業は7日、マスクを中心とした感染対策関連商品で、生産や入荷のめどが立たない状況になっていると公表した。商品や原材料の多くは中国から供給されるが、入庫スケジュールが不透明になっているためだという。栄研化学も4日、ブルームバーグの電話取材に、公開されている新型コロナウイルスの遺伝子配列をもとに新たな検査キットの開発を進めていると述べていた。

  タカラバイオ株も4日続伸。工場のある中国・大連市から安定供給の緊急要請を受け、新型コロナウイルスの検査試薬の生産量を従来比50倍の週25万検体分に増やしたと、6日夕の日本経済新聞が報じた。クルーズ船での感染者数増加の発表を受けて、同社株は出来高を伴って4日続伸の動きになっている。

  7日の東京株式市場は、ウイルス対策関連株が買われる半面、感染拡大への懸念から指数が下落している。岡三アセットマネジメントの前野達志シニアストラテジストは、新型ウイルスの感染拡大による経済への影響を市場が落ち着いて考え始めたと分析する。同氏は「どれだけ感染が拡大し、中国や日本経済、企業収益にどういう影響を及ぼすのか、詳細に分析しなくてはいけない局面に入ったとマーケットが考え始めた」と話した。

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