(ブルームバーグ): 日産自動車は12日、金融商品取引法違反などの罪で起訴された元会長のカルロス・ゴーン被告を相手取り、100億円の損害賠償請求訴訟を横浜地裁に起こしたと発表した。同被告の不正行為で発生した損害を取り戻すためとしている。

  日産の発表資料によると、賠償を求めるのは金商法違反の件やゴーン被告の取締役としての善管注意義務違反、日産の資産の私的流用による損害に関するものとしている。具体的にはゴーン被告の裁量で使えた「CEOリザーブ」による不正支出や海外の住居の無償使用、レバノンの教育機関への寄付などを基に算定したとしている。

  ゴーン被告は2018年に同法違反の容疑で逮捕、起訴された。その後、会社法違反(特別背任)の罪でも起訴され、昨年末に保釈中にレバノンに逃亡していた。日産はゴーン被告の逃亡を受けて同被告に対する損害賠償請求など責任追及の動きを強化しているとし、レバノンでの記者会見でメディアに対して行った根拠のない名誉を毀損する発言について、別途、「法的手続を取る」権利も留保するとした。

  日産によると、今回の訴訟は昨年8月に英領バージン諸島でゴーン被告とその関係者を相手取って始まった豪華ヨットの帰属と賠償を求めた民事訴訟に続くものとしている。

  ゴーン被告の広報担当者に電子メールでコメントを求めたが、現時点では回答を得られていない。

  日産は19年9月に発表した社内調査の報告書で、ゴーン被告による会社資産の私的流用などの一連の不正行為による被害額は約350億円以上とし、同被告らに対し損害賠償などの法的措置をとる方針を示していた。

  一方、日本を逃れたゴーン被告側の動きも活発化している。ゴーン被告は日産と三菱自動車が共同出資するオランダの会社から不当解雇されたとして1500万ユーロ(約18億円)の賠償金支払いを求める訴訟を昨年に起こしていた。

(ゴーン被告側の対応を追加して更新します)

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