(ブルームバーグ): 中国の民間企業の間で、賃金の引き下げや給与の遅配、従業員への支払いの完全な停止が増えている。新型コロナウイルスによる経済的打撃で人件費を賄えなくなっているのが理由だ。

  新型肺炎による国内の死者数が累計2000人を超える中、中国当局や大手企業はウイルス感染の拡大を防ぐべく自宅待機を奨励している。ショッピングモールやレストランは客足が途絶え、娯楽施設や映画館は閉鎖され、不要不急な旅行はほぼ禁じられている。

  ウイルス封じ込めには良いことだが、これはビジネスにとっては逆風だ。ライオンズゲート・エンターテインメントが珠海で運営するテーマパークも閉鎖されており、従業員は有給休暇を使い切り、その後は無給休暇に備えるよう指示を受けた。

  世界第2位の経済大国である中国で、民間セクターは最も急成長している部分だ。

  給与の支払い凍結は同セクター、中でも小規模企業に経済的打撃が及んでいることを一段と浮き彫りにする。また、新型ウイルスによる負担が今後、健康リスクのみならず、雇用削減や給与収入の不安定化を伴う経済的な痛みに広がるであろうことも示唆する。  ブルームバーグ・インテリジェンスのチーフ・アジア・エコノミスト、舒暢氏は新型ウイルスについて、「17年前の重症急性呼吸器症候群(SARS)よりも大きな打撃を中国の消費に与えるだろう」と述べた。

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