(ブルームバーグ): 欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドルが上げ幅縮小、米金融当局が流動性供給を強化

  12日のニューヨーク外国為替市場では、ドル指数が一時ほぼ3年ぶり高水準に急伸。株式市場では売り浴びせの勢いが強まった。米金融当局が市場への積極的な流動性供給計画を示すと、ドルは上げ幅を縮小した。一方、ユーロは下落。欧州中央銀行(ECB)は政策金利を据え置いた。ノルウェー・クローネは主要10通貨で下落率トップ。原油価格の大幅下落が重し。

主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は1.1%上昇。逃避需要を背景に、一時は2%上げて2017年4月以来の高水準を付けた。米金融当局が財務省証券の購入年限を多様化すると発表すると、ドルは伸び悩んだ。こうした措置は金融危機の際に実施した量的緩和を思い起こさせるウェルズ・ファーゴの為替ストラテジスト、ブレンダン・マケナ氏:「市場は完全な危機モードで、安全逃避先の通貨や資産の需要が高まっている。ドルと円の上昇はしばらく続きそうだ」ドルは対ノルウェー・クローネで一時6.6%高となり、最高値更新。北海ブレント原油は7%余り値下がりニューヨーク時間午後4時55分現在、ユーロは対ドルで0.8%安の1ユーロ=1.1180ドル。ラガルドECB総裁は包括的な刺激策を打ち出したと説明、財政措置をあらためて呼び掛けたドルは対円で0.1%高の1ドル=104円64銭。日本銀行の黒田東彦総裁は、適切な資産買い入れを進めると発言欧州時間には、日銀が金融緩和の強化策を検討する可能性があり、18ー19日に開く金融政策決定会合で議論すると関係者が明らかにした欧州から米国への渡航を向こう30日間大幅に制限するなど、トランプ米大統領が示した措置に対し、市場では新型コロナウイルスの封じ込めに十分なのか疑問が広がった

◎米国株・国債・商品:株急落、ブラックマンデー以来の大幅安

  12日の米株式相場は続落。S&P500種株価指数とダウ工業株30種平均は1987年のブラックマンデー以来の大幅安となった。米金融当局による異例の債券購入措置とトランプ政権が打ち出した景気対策は、新型コロナウイルス感染拡大への政策対応としては不十分との懸念が広がった。

  この日は欧州、ブラジル、カナダと世界で株安が連鎖。米国の主要3株価指数は全て9%余り下げた。S&P500種は弱気相場入りし、2018年末以降の上昇分を全て失った。

  S&P500種株価指数は前日比9.5%安の2480.64。ダウ平均は2352.60ドル(10%)安の21200.62ドル。ナスダック総合指数は9.4%低下。ニューヨーク時間午後4時59分現在、米10年債利回りは7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.80%。

  プリンシパル・グローバル・インベスターズのシーマ・シャー氏は「市場はより多くを期待しているのだろう」と指摘。その中身は、一時的なショックがより長期的な危機に発展しないようにする「中央銀行の一段と画期的な取り組み、経済の最も弱い部分にさらに的を絞った支援の拡大、財政当局の行動などだ」と語った。

  ニューヨーク原油先物相場は大幅続落。トランプ米大統領が欧州から米国への渡航を30日間大幅に制限すると表明し、需要懸念に拍車が掛かった。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物4月限は1.48ドル(4.5%)安の1バレル=31.50ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント5月限は2.57ドル安の33.22ドル。

  ニューヨーク金先物相場は大幅続落。世界的な株安が続く中、金を売って利益を確定し、流動性を確保する動きが加速した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は3.2%安の1オンス=1590.30ドルで終了。スタンダードチャータード銀行の貴金属アナリスト、スキ・クーパー氏は「短期的には流動資金ニーズが相場を動かす主因になる」と指摘した。

Oil Plunges Deeper After Trump’s Travel Ban Deals Blow to Demand

Investors Hunting Liquidity Are Selling Gold to Ride Out Turmoil

◎欧州債:イタリア債など周辺国債が急落、ECBの政策対応に失望

  12日の欧州債相場は株式とともに大幅安。欧州中央銀行(ECB)の政策対応では欧州経済のリセッション(景気後退)入り阻止に不十分だと投資家に判断された。

  イタリア国債利回りは1日として過去最大の上昇。ポルトガルとスペイン、フランスの国債も、ECBの量的緩和(QE)拡大が期待を下回る規模だったことから下落した。

  ラガルドECB総裁は政策発表後の記者会見で、ECBの存在理由は加盟国間の債券スプレッドを埋めるためではないと言明。これを受けてリスク指標とされるイタリアとドイツのイールドスプレッドは、昨年6月以来の大きさへと拡大した。

  みずほインターナショナルの欧州金利戦略責任者、ピーター・チャットウェル氏は「ECBが担う第一の責務が、債券市場に危機を引き起こすことだとは知らなかった」と皮肉を述べ、「まさに2011年をほうふつとさせる。当時はECBの利上げが周辺国の国債危機を招いた」と続けた。

  ECBがQE拡大を決定すれば、周辺国とフランスの国債が最も恩恵を受けるとみられてきた。ECBは年内に計1200億ユーロ(約14兆1000億円)の資産購入追加を発表したが、対象は民間部門が中心になるとされた。

  イタリア10年債利回りは62ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.79%、フランス10年債利回りは16bp上昇のマイナス0.16%。ドイツ10年債利回りは変わらずのマイナス0.74%だった。

BTPs Collapse After Lagarde Disappoints; End of Day Curves(抜粋)

(NY外為と米国株・国債・商品を更新します)

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