(ブルームバーグ): 日産自動車や日本製鉄など日本の製造業の間で一時帰休の措置を取る動きが広がってきた。新型コロナウイルスの影響で工場などの操業停止が長期化すれば、同様の措置を取る企業が増える可能性がある。

  自動車産業では日産、三菱自動車、マツダが9日までに、国内工場の生産調整に伴い、従業員に通常の賃金の全部か一部を支払って自宅待機とさせる一時帰休の実施や検討をしていることを明らかにした。これによって数万人規模の従業員に影響が出る可能性がある。日本製鉄も国内全事業所で約3万人を対象に一時帰休を実施する。

  新型コロナウイルスの世界的な流行による工場停止や需要減少を受け、欧米諸国では企業が一時解雇や一時帰休などによる人員調整などの措置を取り始めている。日本政府は新型コロナの感染拡大に伴う緊急経済対策に雇用調整助成金の拡充を盛り込んでおり、製造業などでの雇用の維持を図っている。

国内自動車メーカーの主な停止工場一覧、新型コロナ影響 (表)

  日産は先月、4月2日以降に栃木工場など3工場で夜勤の停止や生産停止を計画していると発表した。広報担当の百瀬梓氏は8日、栃木工場の従業員を一時帰休とする方向で検討していると述べた。対象人数などの詳細は明らかにしなかったが同社の有価証券報告書によると、同工場には2019年3月末時点で3701人の就業人員のほか、年間平均で約1500人の臨時従業員がいた。

  日産の子会社、日産自動車九州では4月から夜勤の停止を開始しており、5月1日は車両生産の停止を行う。同社の広報担当者によると、影響を受ける約4000名の製造現場の従業員に対して社内規定に沿った手当を生産調整の期間中も支払うという。

  マツダでは3月28日から開始した広島県の本社工場と山口県の防府工場での生産調整に伴い、生産業務に直接従事する従業員は操業休止日は全員休業となる。

  広報担当の太刀掛史絵氏によると、休業期間中は期間社員を含めた従業員に通常勤務の約90%の休業手当が支給される。対象となる人員数についてはコメントを控えた。本社の従業員や2工場の間接部門を含めた従業員の合計は約2万1000人だという。

  三菱自は8日、水島製作所などの3拠点で働く最大6500人を一時帰休の対象とすると明らかにした。同社は同日、新型コロナによる部品供給網への影響や自動車需要の減少を受け、同3工場の停止期間の延長を発表した

  日本製鉄は7日、足元の需要減少を踏まえ、鹿島地区などの高炉2基を休止すると発表していた。一時帰休は従業員1人あたり月2日程度実施する予定という。

  経済産業省が9日発表した4−6月期の国内粗鋼生産見通しは前年同期比26%減の1936万トンと大きく落ち込む。リーマン・ショック直後の2009年4−6月期(1909万トン)以来、11年ぶりの低水準となる。同省では新型コロナの影響を一部しか織り込めていないとしている。

(最終段落に4ー6月期の粗鋼生産見通しを追加します)

©2020 Bloomberg L.P.