(ブルームバーグ): 4月の米消費者物価指数(CPI)は変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数が、過去最大の低下となった。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の中で、旅行関連と衣料品への支出が急減した。

  新型コロナ感染症拡大による打撃で各種の経済統計は歴史的な悪化を示しており、今回のCPIで物価指標がそのリストに加わった。物価が持続的に下落すればデフレ懸念が高まることになり、景気の深刻な落ち込みからの回復が非常に緩慢なものになるとの憂慮が深まる。

  元連邦準備制度理事会(FRB)エコノミストで、現在ワシントン・センター・フォー・エクイタブル・グロースのマクロ経済政策ディレクター、クラウディア・サーム氏は「驚くべき数字だ」とし、「デフレスパイラルに陥るのではないかと大変憂慮している」とブルームバーグラジオで述べた。

  アマースト・ピアポント・セキュリティーズのチーフエコノミスト、スティーブン・スタンリー氏は、価格低下が一時的との見方を示す。「経済活動の事実上の停止期間を超えて長期にわたって続くものではなく、夏場に活動が回復し始めれば少なくとも部分的に反転する可能性がある」と、顧客向けリポートに記した。

  4月は家庭で食べる食品の価格が前月比2.6%上昇と、1974年以来の大きな伸び。パンや鶏肉、炭酸飲料、軽食類がいずれも記録的な上昇を示した。家庭で使う紙製品も過去最大の伸び。一方で衣料品や自動車保険、航空運賃、ホテル宿泊費が軒並み過去最大の下げとなった。

  CPIを発表した労働省労働統計局(BLS)によると、今回の調査では集められるデータが通常より少なかった。対面でのデータ収集が停止されたことや、一部事業所の一時的な閉鎖が影響したとしている。

  労働省が別に発表したインフレ調整後の実質平均時給は前年同月比7.5%上昇と、2007年のデータ公表開始後で最大の伸び。数値は8日に発表された4月雇用統計の名目平均時給に一部基づいている。低賃金の労働者が大量に失業し、統計算出に含まれなかったため、雇用統計の平均時給は大きく増えた。

  統計の詳細は表をご覧ください。

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