(ブルームバーグ): 三菱自動車は19日、悪化している収益改善に向けて2021年度末までに固定費を19年度比で2割以上削減し、15年度の水準に戻す目標を明らかにした。仏ルノーとともに企業連合(アライアンス)を形成する日産自動車も固定費削減を目指しており、三菱自でも取り組みを加速させる。

  三菱自が同日発表した決算資料によると、同社が強い事業基盤を持つ東南アジア市場に集中し、それに合わせて商品ラインアップも抜本的に見直す。その一方で設備投資や研究開発費のほか広告宣言費や販管費などさまざまなコストを見直して体質改善を図り、22年度以降の収益力の拡大を目指す。

  2018年にアライアンスのトップを務めていたカルロス・ゴーン被告が逮捕されて以降、日産や三菱自の業績は低迷。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大がそれに追い打ちをかけて他の国内自動車メーカーと比べても事業環境は厳しさを増している。日産も年間約3000億円の固定費カットのほか、生産能力をさらに削減して追加のリストラ費用も計上することなどを検討している。

  三菱自の19年度の純損益は258億円の損失(18年度は1329億円の利益)と3年ぶりの赤字に転落。今年度の業績や配当予想は未定とし、今後見通しが可能な状態となり次第、開示するとした。

  新型コロナの影響で一部の工場で稼働停止が続く中、三菱UFJ銀行など7行からの計1620億円の借り入れなど資金調達策も発表。池谷光司CFOは日本政策投資銀行や国際協力銀行、海外分も合わせて総額は3000億円強に達すると明らかにした。  

  加藤隆雄CEOは目標を実現した場合、1000億円程度の固定費削減につながるとした。コロナの影響で未定としている今期の業績については厳しいものになることは間違いなく、「当社の規模としては全方位の拡大戦略は現実的でない」とした上で、選択と集中の考え方に沿って収益性が低い地域や商品の縮小について加速が必要との考えを示した。

  日産は28日に決算発表を予定。27日には3社でオンラインによる共同会見を開き、アライアンスでの取り組みの進捗(しんちょく)を公表する予定だ。

  

(三菱自幹部の会見でのコメントを追加して更新します)

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