(ブルームバーグ): 新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化しているロシアで、プーチン大統領は2036年までの留任を可能にする自らの計画について政治的な主導権を取り戻そうと動いている。

  この件でロシア政府内の協議に詳しい関係者4人が明らかにしたところによると、プーチン大統領は任期制限の対象外となることを可能にする憲法改正についての国民投票を数週間以内に発表する可能性がある。投票率と得票数を上げるため、投票所のほか電子投票も活用されるという。

  憲法改正の国民投票は当初4月22日に予定されていたが、新型コロナ問題でプーチン大統領は延期を決定した。形式的なものになると見られていた国民投票だが、今はより厳しい展開が予想される。大統領は3月後半に全国的なロックダウン(都市封鎖)を命じ、国内の経済活動が33%落ち込んだ。雇用情勢は厳しく、見通しも不透明感が強い。

  ロシア政府の政治顧問を務めるセルゲイ・マルコフ氏は「プーチン氏は憲法改正を非常に急いでいる。なるべく早く成立させたい考えだ」と話した。

  ロシアは新型コロナの感染拡大が落ち着き始めた兆しも表れているが、感染者数は世界で2番目に多く、原油価格の急落も加わり経済は混乱が続く。ロシア政府は秋に感染拡大の第2波が訪れることを依然警戒しており、それもプーチン氏に6月末か7月初めの国民投票実施を促す圧力となっていると、関係者は語った。9月以降に遅らせれば、それまでに市民の不満がピークに達している恐れがあり、危険過ぎるとの不安が当局者にあるという。

  ロシア政治工学センターのアレクセイ・マカルキン副所長は「国民投票中止も政府は検討したが、中止には遅過ぎた」と説明した。

     

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