(ブルームバーグ): 中国の李克強首相は28日、雇用や国民生活などで政府が設定した重要課題が達成されれば、中国経済は2020年の通年プラス成長が可能だと述べた。

  李首相は全国人民代表大会(全人代、国会に相当)閉幕後の記者会見で、中国も新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による経済的影響を受けないことはないため、今年の成長について数値目標を設定しないことは「実用的で現実的」だと説明。感染拡大が悪化すれば一段の措置を取る能力が政府にはあるとも語った。

  「財政や金融、社会保障などの分野についても、政策余地を確保している。必要になればためらうことなく、新たな措置を迅速に導入することが可能な状態にある」とし、「中国の経済発展を安定した軌道上に保つことが最重要だ」と指摘した。

  李首相は企業に「不可欠な救済」を提供し、市場を再び活気づかせることが政策の狙いだとし、「大規模なインフラ建設プロジェクトに着手する代わりに」雇用と国民生活を守ることが重点だと話した。

  消費が経済成長の主なけん引役となっている現状を踏まえ、李首相は政府の政策が民間需要の押し上げを目指していることを強調した。

TPP11にオープン

  李首相は米国が抜けた後の「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」(CPTPP=TPP11協定)への参加に開放的な態度を取っていると説明。東アジア地域包括的経済連携(RCEP)については、計画通り年内に署名されることを期待すると話した。

  新型コロナを巡っては科学的な発生源の究明で透明性を保ち、協力すると表明。ワクチン開発の成果は共有するとも述べた。

(最終2段落を追加して更新します)

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