(ブルームバーグ): 日産自動車の株価が29日、一時11%安の400.8円と2013年11月5日以来の日中下落率となった。同社は前日、長引く販売不振や事業構造改革に伴う費用計上などによって過去2番目となる巨額の赤字を発表した。

  SMBC日興証券の木下壽英シニアアナリストは28日付のリポートで、減損の計上や工場の閉鎖などにより株式市場は一旦悪材料出尽くしと捉える可能性もあるが「むしろこれからが本当の正念場」と指摘。追加の事業改革関連費用が計上される可能性や収益環境の正常化には時間がかかる点などを懸念材料として挙げた。

  日産は28日、前期(2020年3月期)の純損失が6712億円だったと発表。事業規模適正化に向けた固定資産の減損損失などにより、これまで示していた見通しから赤字幅が拡大。カルロス・ゴーン元会長が経営危機に陥っていた日産に大ナタを振るった00年3月期以来の巨額の赤字となった。

  同日発表した新たな中期経営計画では、24年3月期までの4年間で生産能力を20%削減して540万台体制とすることなどの措置で年間固定費を18年度比で3000億円削減を目指すとした。中期計画の期間中に営業利益率5%と市場シェア6%を目指すという。

  ジェフリーズ証券の中西孝樹アナリストらはリポートで、日産の20%の生産能力削減は本当の意味での削減をあまり含んでいないとした上で、21年3月期の世界販売が400万台を下回る可能性が高い中、「540万台の生産能力は極めて無駄のない体制とは見えない」と述べた。

  ゴールドマン・サックス証券の湯沢康太アナリストらは29日のリポートで、生産能力「540万台に向けては、一層踏み込んだ追加の施策も必要」として「道半ば」と評価した。その上で、インドネシアやスペインの工場閉鎖や米国などでのライン削減が「スピード感をもって実行できるかが問われる」と述べた。

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