(ブルームバーグ): 米政府は香港の統制強化を巡り中国政府への批判や威嚇を続けてきたが、過去数日間に米国各地で人種差別問題に関連したデモや略奪が広がったのを機会に、中国政府関係者や国営メディアがトランプ政権を痛烈に皮肉っている。

  週末にかけ、中国国営メディアは米国の暴力や炎上する建物、警察の厳しい対応、政府を糾弾するデモ参加者の映像を繰り返し配信した。これらは中国本土では決して容認されない混乱や社会不安に、西側の民主主義は定期的に見舞われているとの文脈で語られている。

  中国外務省の華春瑩報道官もこれに参戦。同報道官は、香港の扱いを巡り中国共産党に立ち向かうよう人々に呼び掛けた米国務省のオルタガス報道官のメッセージに、「息ができない」と付け加えてリツイートした。この言葉は、米国のデモの発端となった事件で黒人男性が死亡する直前、白人警官に対して訴えていた。

  トランプ米大統領は香港情勢を「極めて問題」だと表現していたが、それから間もなく香港で起きているのと似た光景を米国内で目にすることになった。中国外務省は1日、米国は国内と香港のデモへの対処で「二重基準」を用いていると非難した。

  中国外務省の趙立堅報道官は北京で開かれた記者会見で、米国は香港のデモ参加者を「英雄や闘士などと美化する一方、人種差別に反対する自国民を暴徒と呼んでいるのはどういう理由か」と指摘した。

  中国共産党機関紙の人民日報や系列の環球時報など国営有力メディアは、米ミネアポリス警察がベランダにいる市民に向けてペイント弾を発射している動画を中国版ツイッターの微博(ウェイボ)に投稿。1日朝までに「住宅地に向けて発砲する米治安部隊」は微博の検索上位10位に入り、「米暴動」のハッシュタグは合計13億6000万回の閲覧数を集めた。

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