(ブルームバーグ): 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は17日、1978年に定められた完全雇用・均衡成長法(旧ハンフリー・ホーキンス法)に基づき、前日に続いて半期に一度の議会証言を行う。大量の失業を防ぎ人種間の不平等を解消することを意図した同法だが、そのいずれも実現していない。

  同法はその代わり、完全雇用と物価安定という米金融当局の「2つの責務」を定めたものとしておおむね認識されている。だが、カリフォルニア州選出の初の黒人下院議員だった故オーガスタス・ホーキンス氏が推進したこの法律は当初、就労を望む全ての米国民が確実に職に就くことができるようにすることで、公民権運動の遺産を推し進める平等化の大きな枠組みと想定されていた。

  その後、約40年にわたり格差は拡大し続け、新型コロナウイルス感染拡大に伴う大恐慌以来の規模の経済の落ち込みは、同法の実施方法の問題点やそれを是正する政治的意思の欠如を浮き彫りにしている。

  同法の本来の趣旨は、連邦準備制度と議会、ホワイトハウスによる協力的な取り組みだった。しかし、その後の議会で景気悪化時に大量の失業を防ぐ連邦資金によるイニシアチブはほとんど示されず、低所得でマイノリティーのコミュニティーが特に大きな打撃を被る傾向が強かった。

  かつてインフレ抑制に重点を置いていた米金融当局は、物価上昇にもっと寛大な姿勢で臨む方向に転じており、マイノリティーが景気拡大時に追い付けるよう後押しすることになりそうだ。金融当局者はしばらくの間、事実上のゼロ金利政策を維持する見通しを示しているが、パウエル議長は現状で金融当局が手助けできることには限界があるとも警告している。

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