(ブルームバーグ): ソフトバンクグループの孫正義社長は25日の株主総会で、同日付で中国アリババ・グループ・ホールディングの取締役を退任したことを明らかにした。

  孫社長は退任理由について「円満なもの」とした上で、アリババ創業者の馬雲(ジャック・マ−)氏もソフトバンクGの取締役を退任するため、私も「卒業する」と述べた。筆頭株主を務めるアリババ株は持ち株の中で最大の財産だとし、「できるだけたくさん、長く持ち続けたい」と話した。

  ソフトバンクGは2000年にアリババに出資し、約15兆円相当のアリババ株25%を保有している。孫氏は05年に取締役に就任していた。

  立教大学ビジネススクール教授でアリババの事業などを研究する田中道昭氏は、「ソフトバンクGはこれまでアリババに役員を送ることで同社のEC、小売り、金融など世界最先端のエコシステムのビジネスモデルを自社のベンチマークにしてきており、その恩恵は大きかった」と分析。「今後は取締役としてではなく、株主としての立場でしか情報に触れることができず、ロスは大きい」とみている。

  保有分の3分の2を売却すると発表したTモバイルUS株については、残りの株式は継続的に保有する考えも示唆。孫社長は「3分の1は売りたくない」とし、「ドイツテレコムとの契約上も保有を継続すべきというような合意になっている」ことも明らかにした。残りの保有株の大半は、ドイツテレコムが購入できるオプション(行使期限24年6月)の対象となっている。

  また、自社株買いと負債削減を目的に3月に公表した4兆5000億円の資産売却計画に関しては8割を達成し、残りの2割にもめどがついたという。当面は、株主還元策として配当より自社株買いを優先させる考えを示し、総額2兆5000億円の取得計画は「着実に実行したい」と語った。既に5000億円の買い入れは終了している。

  直近の保有株式価値は30兆円まで回復した。3月末時点は28兆円だった。新型コロナウイルスの影響で一時半減した自社の株価については、「市場はやや過剰反応したのではないかと思っている」と述べた。

(総会での発言詳細を追記します)

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