(ブルームバーグ): 元日産自動車会長のカルロス・ゴーン被告は日本脱出をほう助したとされる容疑者の1人が経営する企業に、86万ドル(現在の為替レートで約9250万円)余りを昨年10月に支払っていた。米検察が明らかにした。

  7日開示された法廷文書によると、ゴーン被告は日本を脱出する約2カ月前の10月9日に54万ドル、同月25日に32万2500ドルを、ピーター・テイラー容疑者とその兄弟が経営するプロモート・フォックスに送金していた。テイラー容疑者とその父、マイケル・テイラー容疑者は、ゴーン被告が日本からレバノンに逃亡するのをほう助した疑いで5月に米当局に逮捕された。日本当局は両容疑者の引き渡しを米国に求めている。

  米国が日本と結ぶ犯罪人引き渡し条約を適用する是非は、ボストンの連邦判事が判断するが、両容疑者は保釈と引き渡し回避を求めてロビー活動を展開している。

  4月に提出されたロビー活動文書によると、マイケル・テイラー容疑者に雇われたK&Lゲーツのロビイストは米下院議員に対し、「米政府と日本との協議の可能性に関する問題」を巡る要請を行った。

  一方、テイラー親子の弁護団は保釈問題について米司法省の当局者と協議したと、関係者の1人が明らかにした。また、別の関係者1人によれば、弁護団は国務省にも接触し、日本の身柄引き渡し請求を認めるべきではないと主張した。

  検察はこの日の法廷文書の中で、ゴーン被告による支払いは両容疑者が逃亡できる資金を有していることを示しており、逃亡のリスクとして考慮されるべきだと主張した。

  両容疑者の弁護人を務めるポール・ケリー弁護士は、この支払い情報の開示についてコメントを控えた。弁護団は法廷文書で、両容疑者に逃亡のリスクはなく、保釈が認められるべきだと訴えている。

  

(第4−5段落に情報を追加します。更新前の記事は記事中の「両被告」を「両容疑者」に訂正済みです)

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