(ブルームバーグ): 米連邦準備制度理事会(FRB)が15日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によれば、経済は7月初めに回復初期の兆候を示した。一方で、新型コロナウイルス感染を巡る今後の状況がはっきりしないことから、景気の先行きは不透明だとも指摘した。

  ベージュブックでは、「経済活動はほぼ全ての地区で上向いたが、新型コロナウイルス感染症(COVID19)がパンデミック(世界的大流行)となる前の水準はなお大きく下回った」と記述。「見通しは極めて不透明だ。調査先はCOVID19のパンデミックの続く期間や、経済への影響の大きさを見極めようとしている」と説明した。

  今回のベージュブックは、6日までに12地区連銀が集めた情報を基にシカゴ連銀が作成した。

  経済活動は5月末から6月初めに上向いたとみられるものの、その後多くの州で感染が再拡大しており、ベージュブックの調査期間が終了して以降の経済回復を鈍らせた可能性が高い。

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感染再拡大

  サンフランシスコ連銀は「6月遅くに新型コロナ感染者が再び増えたことで、経済活動再開のプロセスが減速ないし反転し、個人消費の一段の回復が妨げられた」と指摘した。

  今回のベージュブックでは、「不透明な」や「不透明感」といった文言が16回登場した。

  セントルイス連銀は「前回の報告と比較し、調査先が示す見通しはやや悲観が強まり、不透明感もずっと高まった」と記した。

  大半の業種で活動は抑制された状況が続いたと、ベージュブックは指摘。製造業など需要が上向いた業界でも、極めて低い水準からの増加か、わずかな増加だった。エネルギーの分野では、低需要と供給過剰を背景に活動の低下が続いた。

  雇用に関しては、全地区で新規採用が報告されたが、水準は低い状態が続いた。企業は新たなレイオフのほか、安全面での懸念や保育施設の欠如、通常よりも多い失業保険給付を背景に従業員を呼び戻すのが困難な状況を説明した。

  フィラデルフィラ連銀は「企業が活動を再開し、従業員を呼び戻す中、雇用全般は緩やかに回復した」と指摘。「だが、こうした雇用純増は、小規模ながら継続した恒久的な解雇を覆い隠した」と指摘した。

  幾つかの地区は、賃金削減や労働時間の縮小、無給休暇といった状況について報告した。

  ボストン連銀は「ある航空宇宙の製造業企業が従業員の7%をレイオフし、上級幹部を含む全従業員の給与を削減した」と記した。

  物価については、12地区全てでほぼ変わらずだった。ただ一部は食品と飲料の値上がりを報告。サプライチェーンの問題で食品コストが上昇し、食品に対する不安も高まった。

(詳細を追加し、更新します)

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