(ブルームバーグ): 東京都は19日、新たに188人の新型コロナウイルス感染者が確認されたと発表した。1日当たりの人数が200人を下回るのは4日ぶりとなる。うち感染経路が分からない人は118人。都内での感染確認は合計で9411人になった。

  都内の新規感染者数は16日に286人、17日には過去最多の293人、18日に290人で3日連続で200人を超えていた。日本銀行は19日、府中分館に勤務する60代の男性職員1人の感染が判明したと発表した。NHKによると、19日午後8時30分現在の全国集計で511人の感染が明らかになっている。

  菅義偉官房長官は19日、フジテレビの番組に出演し、新型コロナウイルス対策を強化するための特措法見直しについて問われ、「必要だ」との認識を明らかにした。

  現在の特措法では特定の業種などに対し、都道府県知事が休業要請などを行うことができるが、強制力はない。そのため、地方自治体からは感染防止対策が不十分な店舗への営業停止命令を可能とする法改正を求める声が出ているが、菅官房長官はこの点については具体的には言及しなかった。ただ、自治体の要請に基づいて休業した店舗に補償する規定を設けることについては「最終的にはそこが必要だ」と述べた。

  ホストクラブなど接待を伴う飲食店などでクラスター(感染者集団)が発生している現状については「問題点は浮き彫りになってきている」と指摘し、こうした業種には立ち入り調査を「思い切ってやっていく必要がある」と語った。新型コロナへの政府の基本的な方針としては「感染拡大を防止して社会経済活動を段階的に引き上げていきたい」と述べた上で、感染状況を注視して進める考えを示した。

  全国知事会の飯泉嘉門会長(徳島県知事)は19日の記者会見で、補償を伴う休業要請を可能にする特措法の改正に菅官房長官が意欲を示したことについて「大変歓迎したい」と語った。

「GoToトラベル」事業

  旅費の一定額を補助する「GoToトラベル」事業から東京発着の旅行などは当面対象外としたことについて、菅官房長官は「東京が突出して陽性患者が増えている」ことが理由と強調した。大阪府などを除外対象に加える可能性については「基本的には低い」と述べた。仮に東京での感染拡大が収まった場合には新規感染者数などについて専門家の意見を聞いて事業に加えるかどうか決めると述べた。

  一方、共同通信によると全国知事会は19日、同事業に関しては今後も感染状況を注視し、対象範囲を機動的に見直すよう求める緊急提言をまとめた。

イベント制限緩和

  政府は8月1日から屋内のイベントに関して入場者数の上限を「5000人」とする人数制限を撤廃し、施設の定員50%までとする収容率制限のみに緩和する方針だが、西村康稔経済再生担当相は18日の記者会見で「基本的には慎重に考えないといけない」と述べ、見直す可能性に言及した。

  菅官房長官は19日、制限緩和方針の扱いについては西村担当相が専門家に相談するとした。修正するかどうかについては「分からない」と述べた。

  一方、自民党の岸田文雄政調会長は19日、NHKの日曜討論で感染の再拡大について「極めて強い警戒感、あるいは緊張感をもって対応しなければいけない事態」だとの認識を示した。緊急事態宣言の再発令は「今すぐにやるべきだという判断では政府はないと認識している」と述べた上で、状況は刻々と変化していくとし、「緊張感とあわせて機動的な、柔軟な発想が大事だ」と指摘した。

  公明党の石田祝稔政調会長は、ここ数日47都道府県の半分で新たな感染者が発生しているとし、「第2波への警戒は考えていかなくてはならない」と述べた。

  6月19日に県をまたいだ移動が全国的に緩和されてから感染者が大幅に増えたことについては「ただごとではないなという意識は持っていかないといけない」といい、「東京が国がと言っている場合ではない。お互いに協力してやらない限りしっかりした対策はとれない」と語った。

  毎日新聞と社会調査研究センターが18日に実施した調査によると、コロナ問題への安倍政権の対応を「評価する」と回答した人は17%で6月20日に行った前回の26%から低下し、「評価しない」は60%(同51%)に上昇。内閣支持率は32%と前回より4ポイント下落した。

3密

  世界保健機関(WHO)はフェイスブックの投稿で、新型コロナの感染拡大防止のため「3密」の英語訳である「3C」を回避するよう呼び掛けた。3Cは密集、密接、密閉の英語の頭文字をそれぞれ取ったもの。3つのCが重なる場所では感染リスクが高まりやすいと注意するよう求めている。

(東京の発表などをを追加し、更新しました)

©2020 Bloomberg L.P.