(ブルームバーグ): 米金融当局は28、29両日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。米国の一部主要地域での新型コロナウイルス感染再拡大に伴い、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は政策金利がしばらくの間ゼロ近辺にとどまるとのハト派メッセージを補強することになりそうだ。

  頻繁に更新される経済指標は景気減速を示唆しており、7−9月(第3四半期)の力強い回復さえも不確実な状況となっている。ただ、米金融当局者は見通しがどのように変化したかを点検するにしても、今週の会合で戦略転換を採用することは恐らくないと考えられる。

  RBCキャピタル・マーケッツの米国担当チーフエコノミスト、トム・ポーセリ氏は「7−9月に入るに当たってまずまずの勢いがあったものの、その多くの部分が失われた。感染症例が明らかに増え始めたことで減速が目に見える形となっており、米金融当局は事態をはっきりと認識するだろう」と語った。

  4月と6月のFOMC議事要旨によれば、米金融当局は過去数カ月間、主に2つの事柄を考えてきた。そのうちの1つは、4−6月(第2四半期)に大幅に落ち込んだと考えられる米経済が年末にかけて徐々に回復し続けるのか、それとも感染第2波によって回復がストップしてしまうのかだ。

  米金融当局のスタッフエコノミストはFRB理事や地区連銀総裁といった当局者に対し、異例の不確実性を踏まえれば、いずれのシナリオも同じ程度あり得るとアドバイスしてきた。

  こうした1つ目の疑問は2つ目の事柄にも強く関連する。それは、完全雇用と物価安定の実現という法律で定められた2つの責務を達成しないまま、低金利による景気刺激を引き揚げてしまう過ちを決して繰り返さないようにするにはどうすればよいのかという問題だ。

  FRBウオッチャーは米金融当局者について、今週のFOMCでは戦略の議論を続け、9月15、16両日の会合で新たなアプローチを決めるものと見込んでいる。その内容は、インフレ率と失業率で特定の目安を達成するまで、政策金利を現在のようなゼロ近辺に据え置くことを約束するものと想定される。

  米経済にとって現時点でもっと重要なのは家計と企業への追加の包括的財政支援策を巡り、議会が今後下す判断だ。州・地方政府への支援の課題もある。

  パウエル議長をはじめとする当局者は、支援の具体的内容に関する党派対立に足を踏み入れるのを避けながら、新型コロナ危機から経済を立ち直らせるための政府支出の重要性を繰り返し強調してきた。ルネサンス・マクロ・リサーチの米経済調査責任者、ニール・ダッタ氏は、今週のFOMCでも金融当局者が恐らくこの点をあらためて指摘するものと予想している。

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