(ブルームバーグ): 米経済が勢いを失いつつある兆候に直面する米連邦準備制度は今週の連邦公開市場委員会(FOMC)で、新型コロナウイルス感染拡大が招いた不況から景気を一層力強く回復させる方法に注意を向ける見通しだ。

  FOMCは新型コロナ感染拡大の打撃を軽減するため3月15日に政策金利のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0ー0.25%のレンジに引き下げており、今回の会合でも同水準に据え置くことはほぼ確実。FOMCは29日午後2時(日本時間30日午前3時)に声明を発表し、その30分後にパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が記者会見を開く。四半期予測は今会合で更新される予定はない。

  今回の会合では、金利や資産購入のフォワードガイダンスの見直しや金融政策決定の枠組みを議論する一方で、最終決定を公表する用意はなさそうだ。7月に入り失業保険申請やクレジットカード支出、航空旅行が横ばい状態となっていることを示すデータを踏まえ、パウエル議長は当局が景気回復支援のため何でもやる姿勢をあらためて示しつつ、議会への財政支援要請を繰り返す見通しだ。

  ユーラー・ヘルメス・ノースアメリカのシニアエコノミスト、ダン・ノース氏は「前回会合以降、新型コロナ感染状況は悪化しており不確実性は恐らく高まっている」と指摘。当局は必要な限り、必要な措置に全力で取り組むという姿勢を繰り返し示すだろうと予想した。

フォワードガイダンス

  FOMCは金利の道筋を、2%のインフレ率目標達成ないしオーバーシュートや失業率目標と結びつけることを議論している。ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査によれば、その実現は9月になると予想されているが、FOMCが直近の失望的な経済データに対応し計画を前倒す可能性もある。

FOMC、ゼロ金利巡るフォワードガイダンス拡充すべきか判断必要に

ブルームバーグのエコノミストの見方

「ブルームバーグ・エコノミクスは7月のFOMC会合での新たな大きな行動は予想しない。舞台裏では、FF金利の道筋や資産購入に関して明確なフォワードガイダンスを提示する最善策について集中した議論がなされるだろう。パウエル議長はこれについて記者会見で質問されると予想する」

--Andrew Husby、 Eliza Winger、Yelena Shulyatyeva

イールドカーブ・コントロール

  特定の年限の米国債利回りに目標水準を設けるイールドカーブ・コントロール(YCC)を巡っては、金融当局者らは導入に近づいていないと繰り返しており、パウエル議長は6月に「初期段階」の検討との認識を示した。ブルームバーグが今月実施したエコノミスト調査では、採用を予想しない回答が採用を見込む回答を上回った。

FOMC声明

  声明は6月10日の内容とほぼ同様になる公算が大きい。 6月の声明は、新型コロナウイルスの流行が引き続き「経済活動に強い重し」となり、見通しに「相当なリスク」を突きつける状況を踏まえ、当局が経済成長の支援に「あらゆる手段を用いる」ことにコミットしているとした。米国の一部での感染再拡大を受け、今回の声明は冒頭部分で7月のデータ悪化に言及する可能性もある。

  元FRBエコノミストで現在はジョンズ・ホプキンス大学経済学教授を務めるジョナサン・ライト氏は「声明では、高頻度で更新される個人消費や労働市場の指標に再び弱さが見られる点に言及するだろう。新型コロナの感染者数や死者数の増加にも触れるかもしれない」と述べた。

バランスシート

  米金融当局は市場機能の円滑化を図るため米国債と住宅ローン担保証券(MBS)の購入を「少なくとも現在のペース」に維持している。アナリストの間では、経済活動の刺激策であることを明確に打ち出すため、当局が2008年から14年にかけての大規模債券購入に沿った形にプログラムをある時点で仕立て直す公算が大きいと予想されており、それが今月となる可能性もあるという。

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