(ブルームバーグ): トヨタ自動車が2020年上半期(1−6月期)の世界販売台数で独フォルクスワーゲン(VW)を抜きトップに立った。19年はトヨタグループとして過去最高の販売台数を記録したものの、VWには及ばず2位だった。

  トヨタの30日の発表によると、子会社のダイハツ工業や日野自動車を含めたグループ全体の1−6月期の世界販売は4年ぶりの前年割れとなる前年同期比22%減の約416万台だった。一方、VWは今月中旬、トラックやバイクを含めた世界販売が同27%減の389万台だったと発表していた。

  VWは16年にトヨタを抜いて初めて年間の販売台数でトップに立って以来、年間で首位の座を維持してきた。一方、トヨタは17年と18年は仏ルノー・日産自動車・三菱自動車のアライアンス(3社連合)に2位の座を譲っていたが、日産のカルロス・ゴーン元会長の逮捕などによる経営の混乱が続く中、3社連合が販売を落としたこともあって、昨年はトヨタが再び2位に浮上していた。

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  ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達生アナリストは、販売台数が多いところと組みたいという会社との事業提携などがしやすくなるなど「一番とか数が多いということはそれなりの意味がある」と語った。

  新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、自動車各社は厳しい事業環境に直面している。日産は、今期(21年3月期)の業界全体の世界の自動車需要は前期比16%減の7204万台となると見込んでいる。トヨタを含む日系自動車メーカー7社の発表によると、販売台数は全社で回復傾向にあるが、6月も5月同様の前年同月比2桁減となっており依然厳しい状況だ。

  一方で5月に引き続き販売が堅調なのは新型コロナ感染拡大後、一足先に経済活動を再開した中国。トヨタのレクサスを含めた6月の中国の販売は前年同月比23%増の約17万台だった。日産も日本、北米、欧州で2桁減となった一方で、中国では同4.5%増の約14万台を販売した。

  吉田氏によると、新型コロナの感染拡大の地域ごとの動向を踏まえると、7−12月にVWが販売台数を伸ばして年間販売台数でトヨタを逆転することは考えにくいという。しかし「一番大きなワイルドカード」は新型コロナの第2波で、例えば米国のようなトヨタにとって大市場である国でロックダウン(都市封鎖)といった措置が取られた場合には、同社の分が悪くなる可能性があるとの見方を示した。

  6月の日系自動車メーカー7社の販売と生産台数は以下の通り。(かっこ内は前年同月との比較)

(他社の販売や識者のコメントを追加して更新します)

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