(ブルームバーグ): 東京都で31日、新たに463人の新型コロナウイルス感染者が確認された。400人を超えるのは初めてで、過去最多となる。小池百合子知事が記者会見で明らかにした。都内の重症者は16人で前日の22人から減少した。

  小池知事は状況がさらに悪化すると「都独自の緊急事態宣言を発することも考えざるをえなくなる」として、「感染拡大特別警報」を都民に呼び掛けながら、感染防止対策を強化する考えを示した。

  全国的に新型コロナウイルスの感染が拡大する中、政府は31日、専門家による分科会を開催。感染状況を「ゼロ散発」、「漸増」、「急増」、「爆発」の4段階に分類し、次の段階に移行する予兆をとらえる指標を設定することを決めた。尾身茂会長は終了後の記者会見で、東京都や大阪府などは漸増段階にあるとの見方を示した。

  安倍晋三首相は31日夕、東京などで感染者が増加している現在の状況について「高い緊張感を持って注視している」と語った。今後の対応として「まずは徹底検査だ」として重症化リスクの高い高齢者らへの感染を防ぐため、特に病院や施設で進めていく方針を示した。治療薬やワクチンの開発と確保にも取り組む考えも強調した。

  分科会終了後の記者会見で西村康稔経済再生担当相は、現在の状況は、「3密」(密閉、密集、密接)などリスクの高い場所でクラスター(感染者集団)が発生し、医療体制への負荷が蓄積している「漸増」の段階であり、「次の段階に進めてはいけない」と警戒感を示した。

  分科会の尾身会長は、各都道府県の感染状況を見ながら議論を進め、おおむね1週間後の次回会合で具体的な指標を決定する方針を示した。ワクチン接種の優先順位についても協議しており、方針について8月に中間とりまとめを出すという。

  西村氏は、小池知事らが言及している都道府県独自の緊急事態宣言について、「知事の判断であり得ることだ」と述べ、理解を示した。感染防止のガイドラインを順守しない店舗への休業要請も、「当然あり得る対策」だと指摘。要請に伴う協力金や支援金については、「感染状況や対策を踏まえ政府として何ができるか考えていきたい」と語った。

 

新規感染者数は1日当たり1000人超に

  全国の1日当たりの新規感染者数は、29、30日と2日連続で1000人を超えた。31日は大阪府で216人、愛知県では過去最多の193人を確認するなど、高水準が続いている。全国では午後7時時点の集計で過去最多の1539人となったとNHKが報じた。

  感染拡大を受け、各地で対策強化の動きが出ている。東京都は、都内全域の酒類を提供する飲食店とカラオケ店に、8月3日から31日まで営業時間を午後10時までに短縮するよう要請。応じた中小事業者には、1事業者当たり一律20万円を支給する。

  大阪府は既に、8月1日から20日まで府民に対し5人以上の宴会、飲み会を自粛するよう要請している。31日開いた対策本部では、さらに大阪市と協力した独自の取り組みとして、特に感染者が多いミナミの繁華街のうち、一部エリアに絞った休業や営業時間短縮を要請する方針を決めた。期間は8月6日から20日までの15日間。ホストクラブなど接待を伴う飲食店や酒類を提供する居酒屋などが対象となる。

  また、沖縄県の玉城デニー知事は31日、独自の緊急事態宣言を発出した。8月1日から15日までの期間中、沖縄本島では不要不急の外出を控えることなどを県民に呼び掛けた。

  菅義偉官房長官は31日の記者会見で、現在の感染状況は、緊急事態宣言の発令に至った「3、4月の状況とは異なる」とした上で、現時点で再び宣言を発出する状況とは考えていないと説明。引き続き、感染防止策と社会経済活動の両立に取り組む考えを示した。

(安倍晋三首相らの発言を追加し、更新しました)

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