(ブルームバーグ): 任天堂が6日発表した4−6月期の連結営業利益は前年同期の5.3倍の1447億円と市場予想(627億円)を大幅に上回り、12年ぶりに同四半期での過去最高を更新した。新型コロナウイルスの感染拡大が長引く中、自宅でゲームをする巣ごもり需要が高まった。

  今期(2021年3月期)の営業利益予想は前期比15%減の3000億円を据え置いた。販売目標は、家庭用ゲーム機スイッチ本体を従来の1900万台、ソフトも1億4000万本を据え置いた。

  4−6月の販売は、スイッチ本体が前年同期の2.7倍の568万台、このうち19年9月に発売した廉価版のスイッチライトは262万台だった。ソフトは「あつまれどうぶつの森」が1063万本(累計2240万本)と好調で合計では2.2倍の5043万本となった。

  米国モーニングスターの伊藤和典アナリストは電話取材で、据え置かれた通期予想に関連し、任天堂は持続性を見極めるため慎重に判断しているのだろうと分析。今後も巣ごもり需要は続き、本体の販売は2400万台が視野に入り、ソフトは「控えめに見積もっても2億本は超える」とみている。

  エース経済研究所の安田秀樹シニアアナリストは、過去最高となった営業利益について、「数字は凄まじい」と指摘。「地球上のどこかでクリスマスがすでにあったのかと錯覚してしまうような数字だ」と述べた。

  利益率の高いデジタル売上高は、3.3倍の1010億円となり、ソフトの売上高に占める比率は55.6%と前年同期の38.3%から大幅に高まった。モバイル・IP関連収入も33%増の132億円に拡大した。

  発売から4年目に入ったスイッチは、人気ソフトの「どうぶつの森」がけん引役となり、本体の需要も高まっている。ただ、新型コロナによる供給網の混乱もあり、公式サイトなどでは本体や一部ソフトが品切れ状態にある。

  事情を知る関係者によれば、任天堂は今期のスイッチの生産台数を再び引き上げ2500万台程度とする。4月に引き上げた2200万台からさらに追加した。部品不足は予想よりも早く解消しつつあるという。

  年末商戦では、ソニーと米マイクロソフトが次世代機を投入する予定で競争が激しくなる見通し。オランダのゲーム市場調査会社ニューズーによると、20年の世界のゲーム市場は前年比9.3%増の1593億ドル(約16兆8000億円)に拡大する見込みだ。

  3月に約1年ぶりの安値となる3万1000円台まで下げた株価は、7月に5万円台まで回復し、現在は4万円台後半の水準で推移している。

(アナリストコメントを追加しました)

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