(ブルームバーグ): ソフトバンクグループの4−6月期(第1四半期)決算は、純利益が前年同期比12%増の1兆2557億円と四半期ベースでは過去最高となった。TモバイルUS株の売却関連利益を計上したほか、ビジョン・ファンドなど投資事業の収益が好転し、創業来最大の赤字を記録した前期(2020年3月期)から業績は回復に向かっている。

  11日の発表資料によると、ファンド事業の投資利益が2966億円と前の四半期から1兆4000億円改善。株式売却による実現益に加え、新型コロナウイルス禍でサービス利用が増えた投資先の公正価値上昇なども寄与した。

  6月末時点のビジョン・ファンドの保有銘柄数は86だった。投資額合計752億ドル(約8兆円)に対し、公正価値合計は715億ドル。エグジットした銘柄を含めた活動開始来の累計投資利益は20億ドルとなった。

  同社は今四半期から決算短信での営業利益の開示を取りやめ、「投資損益」の開示を開始した。Tモバイルと合併した米スプリントが子会社でなくなったため、投資活動の重要性が一層高まったほか、これまでの営業利益には投資有価証券の売却による実現損益や投資先からの配当金などが含まれず、戦略的投資持株会社としての連結業績の適切な表示には有用ではないと判断した。

  また、7月にアリババ・グループ・ホールディングの株式を利用し、新たに9億ドルを調達したことも明らかになった。

  しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は電話取材で、4−6月の決算は資産売却が功を奏し、「順調に回復している」と評価。投資事業については「元々伸ばしていく方針。ある程度足元を固めたところでまた大きくするのではないか」と述べた。

  前期は創業来最大の1兆3646億円の営業損失となった。その後の世界的な株式市場の上昇で、米ウーバー・テクノロジーズなど出資先企業の株価が反発したほか、未公開企業の上場期待も広がった。自社の株価も3月以降は反発に転じ、アリババなどの株式を使った最大4兆5000億円の資産売却プログラムや総額2兆5000億円の自社株買いを材料に、20年ぶりの高値を付けた。

  関係者によれば、傘下の半導体設計会社アームは米エヌビディアと売却交渉を行っている。ただ、最終的な決定には至っておらず、交渉は長引くか頓挫する可能性もあるという。ソフトバンクGは16年にアームを320億ドル(現在のレートで約3兆3500億円)で買収した。

(1段落に純利益水準が過去最高だった記述を追記します)

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