(ブルームバーグ): ソフトバンクグループの孫正義社長は11日、自ら約200億円を出資する投資運用子会社を設立することを明らかにした。米アマゾン・ドット・コムなど上場する情報通信(IT)関連株に投資していくという。  新会社の資本金は600億円で、出資比率は孫社長が33%、ソフトバンクGが67%。既に実験として30社の株を取得したとしており、孫社長はオンラインで行った決算会見で、アマゾンのほか、アップル、フェイスブックといった流動性の高い上場企業名を挙げた。出資により、「自らリスクを取る」という。

  また、事実上資金調達を凍結していたビジョン・ファンド2号については、既にソフトバンクGの自己資金で10社程度に出資し、検討中の案件にも「面白い会社が出てきている」と話した。

  早稲田大学大学院の池上重輔教授は電話取材で、人工知能(AI)を活用した情報革命を進める孫社長のビジョンと戦略は「ぶれていない」と指摘。現在の環境は、「孫氏がやろうとしていることに対してポジティブになっている」との見方を示した。

  半導体設計子会社の英アームについては、保有株式の一部あるいは全ての売却を「選択肢の一つとして検討を開始している」と述べた。もともとアームは2023年の再上場を目指してきたが、興味がある社が現れたとして売却の可能性を示唆。半面、「来年か再来年に上場するのももう一つの選択肢」とし、「両方をにらみながら検討していきたい」と話した。交渉相手はノーコメントとしている。

  3月に発表した4兆5000億円の資産売却プログラムに関しては、アリババ・グループ・ホールディングや国内通信子会社のソフトバンク、TモバイルUSの一部株式売却を通じて既に4兆3000億円を調達し、進捗(しんちょく)率は95%だと説明。その上で、予定を大きく上回る資金化になるとの認識を示した。

  総額2兆5000億円の自社株買い計画のうち、残る1兆5000億円についても「必ず実施する」と表明。ただし、取得完了時期は「やや柔軟性を持たせておいた方が株主の皆様のためにも、ソフトバンクの守りのためにもいい」と話した。残る自社株買い枠は来年3月末までを取得期間とする5000億円、同7月30日までの1兆円となっている。

  ソフトバンクGの4−6月期(第1四半期)決算は、純利益が前年同期比12%増の1兆2557億円と四半期ベースでは過去最高となった。TモバイルUS株の売却関連利益を計上したほか、ビジョン・ファンドなど投資事業の収益が好転し、創業来最大の赤字を記録した前期(2020年3月期)から業績は回復に向かっている。

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