(ブルームバーグ): 三菱自動車は31日、約16年にわたり同社の経営を担ってきた益子修前会長が死去したと明らかにした。71歳だった。

  同社の発表によると、益子氏は27日に心不全のため死去。通夜と葬儀は近親者で執り行ったという。益子氏は今月7日に健康上の理由で会長を退任し、特別顧問に就任していた。

  三菱商事出身の益子氏は2004年にリコール隠し問題で苦境に陥っていた三菱自に常務取締役として入社し、翌年に三菱自の社長に就任。同社が燃費不正の影響で再び経営危機に陥った際には、益子氏が当時日産の最高経営責任者(CEO)を務めていたカルロス・ゴーン氏と直接交渉し、日産との電撃的な資本業務提携につなげた。

  SBI証券の遠藤功治シニアアナリストは、世界初の量産型電気自動車「i−MiEV」の開発推進や東南アジアを収益の柱に育てたことを益子氏の功績として挙げた。一方で、「彼1人の責任ではないが、16年間ずっと一番上の方のトップにいて、その間の業績悪化や株価低迷をみるとマーケットは評価していないのだろう」との見方を示した。

  18年11月のゴーン氏の逮捕以降の日産・ルノー・三菱自の企業連合の経営混乱に加え、新型コロナウイルスの影響で業績は大きく低迷。三菱自は前期(20年3月期)に3年ぶりの赤字に転落し、今期(21年3月期)は3600億円の最終赤字となる見通しになっている。

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