(ブルームバーグ): ANAホールディングス(HD)は1日、傘下で成田−香港路線などの国際線や貨物便を運航するエアージャパンの全ての派遣パイロットに対して一時休業を通知したと明らかにした。契約調整で新型コロナウイルスの影響による旅客需要の減少に対応する。

  同社の広報担当者によると、毎月下旬に翌月の勤務を提示するこれまでの契約の終了と、一定期間は休業とする契約への切り替えについて、8月31日に派遣会社からパイロットに対して提示したという。対象となるパイロットは約300人で大部分は外国人だという。休業期間中の福利厚生は維持し、副業を行うことを認める。休業期間についてはコメントを控えた。

  ANAHDの100%子会社であるエアージャパンは成田からアジア・リゾート路線を中心とした、香港など約12路線の国際線旅客便と沖縄をハブに、アジア各都市を結ぶ約27路線の貨物便を運航している。エアージャパンのウェブサイトによると、同社の従業員数は4月1日時点で800人。

  新型コロナ感染拡大による大幅な需要縮小で航空各社は苦境に陥っており、国際航空運送協会(IATA)は世界の航空会社の損失が今年は840億ドルになると予想している。ANAHDは4−6月期の営業損益は四半期決算の開示を始めた03年4−6月期以降で最悪の1591億円の赤字になった。

  ANAHDの福沢一郎常務は7月の決算会見で、4月末時点でグループ会社22社、3万5000人を対象としていた一時帰休を36社、4万3500人に拡大したと明らかにし、今後必要になれば社内で早期退職を募集する可能性もあると述べていた。福沢氏によると、運航の休止・減便や人件費の削減などにより、今年度中に2550億円程度のコスト削減を目指すという。

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