(ブルームバーグ): 富豪の李嘉誠氏が率いる香港の企業帝国は苦戦しているかもしれないが、同氏は香港一の金持ちであり続けている。ビデオ会議サービスを手掛ける米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズへの初期段階での投資と、李氏のベンチャー投資部門の共同創業者で長年の友人である周凱旋氏の存在によるところが大きい。

  香港を象徴するいくつかの超高層ビルの建設で知られる李氏が最初にズームに投資したのは2013年。現在92歳の李氏はズーム株を8.5%保有する。これは110億ドル(約1兆1700億円)に相当し、李氏の資産の約3分の1を占める。

  新型コロナウイルス感染拡大でオフィスや学校が閉鎖され、リモート会議や遠隔授業での代替を余儀なくされる中、ズームの業績は勢いに乗っている。8月31日に発表した5−7月(第2四半期)決算では、売上高が前年同期の4倍余りに増加した。それを追い風に株価は9月1日に41%上昇し、李氏の保有株の評価は1日で32億ドル増えた。ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、李氏の資産は現在326億ドル相当。

  李氏のズーム株投資は、同氏のベンチャー投資を管理するホライゾンズ・ベンチャーズを2002年に共同で創業した周氏の投資先選びのおかげもある。ホライゾンズはフェイスブックやスポティファイ・テクノロジーなどに初期段階で投資しており、13年と15年のズームの資金調達にも参加していた。昨年のズーム株の新規公開時には、李氏の持ち分は約8億5000万ドル相当だった。ホライゾンズはコメントを控えた。

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