(ブルームバーグ): 米ボーイングの最大労組である国際機械工労組(IAM)は787ドリームライナーの生産が非労組系工場に集約される可能性を巡り対決姿勢を強めている。同社は工場集約をなお検討中だとしているが、労組側は既に決まったことを覆い隠すための「茶番」だとみて、労働協約について譲歩を求められる可能性があると警告している。

  IAMディストリクト751のジョン・ホールデン委員長は、ワシントン州エベレット工場で787の最終組み立て作業を続けるよう月内に主張する計画を明らかにした。

  ボーイングはサウスカロライナ州ノースチャールストンでもドリームライナーを生産しており、2工場の業務を1カ所に集約するかどうかを検討している。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴う航空旅行の急減に対応するため生産と人員の削減を進めている同社は、787のような双通路型機が特に深刻な需要減に見舞われていることで787の月間生産を6機に減らすことを余儀なくされ、2つの最終組み立てラインの維持が困難になっている。

  カナコード・ジェニュイティーのアナリスト、ケン・ハーバート氏は「1カ所に統合されないシナリオを想像するのは難しい」と指摘。「表面上は、チャールストンを選ぶのが論理的な選択と思われる」と述べた。

  エベレット工場は既に大規模な人員削減を強いられており、シアトル地域では不安が高まっている。約3万人が働く同工場では、今後2年で747の生産が終了。787も打ち切りとなれば、年間生産機数はわずか60機に減ることになる。

  ボーイングはIAMの計画についてコメントを控え、経営陣は航空機を生産する最も効率的な方法を検討していると説明した。

©2020 Bloomberg L.P.