(ブルームバーグ): 日産自動車が米国時間10日に条件決定したドル建て債4本の発行総額は80億ドル(約8490億円)と、アジア企業のドル債としては過去最大の規模となった。

  年限は3・5・7・10年で、発行額は3、5年が各15億ドル、7、10年が各25億ドル。主幹事はモルガン・スタンレー、JPモルガン、シティグループ、みずほセキュリティーズ。日産自によると、ドル建て債の発行は仏ルノーと1999年に提携して以降、初めてとなる。

  発行水準は以下の通り(1bp=0.01%)。

3年:米国債+287.5bp、利率3.043%(当初の参考提示水準:325bp程度)5年:米国債+325bp、利率3.522%(同:362.5−375bp)7年:米国債+387.5bp、利率4.345%(同:412.5−425bp)10年:米国債+412.5bp、利率4.810%(同:437.5−450bp)

  日産自・広報担当の百瀬梓氏は、手元資金の流動性は既に十分な水準を維持しているが、事業構造改革を遂行するためには流動性をさらに強化することが重要だと説明。「今後はより幅広い投資家層へのアクセスを持つことが重要だと認識している」と発行の理由について電子メールでコメントした。

  同社は7月、国内円債市場に4年ぶりに復帰した。発行の延期を重ねるたびに利率を引き上げてきたにもかかわらず、銀行借り入れの増加もあり、発行総額は700億円と昨年や今年6月に計画していた規模を大きく下回った。

  新型コロナウイルスの影響による自動車販売の落ち込みなどで、日産自の今期(2021年3月期)の営業赤字額は4700億円と前期の405億円から大きく拡大する見通し。同社の格付けはムーディーズ・ジャパンとS&Pグローバル・レーティングの外資系2社がともに投資適格の最低ランクとしている。格付け見通しはともに「ネガティブ」で格下げリスクがくすぶる。

(発行条件の決定を受けて見出しと1段落を変更し、発行情報などを追記します)

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