(ブルームバーグ): 英下院では14日遅く、欧州連合(EU)と英国が締結した離脱協定に一部違反する内容を含む「国内市場法案」について、「第2読会」で最初の採決が行われた。法案は賛成340、反対263で支持され、最初のハードルを通過し次の審議プロセスに進むことが決まった。

  ジョンソン首相は、離脱協定の一部として合意された英領北アイルランドのプロトコル(手続き)を一方的に一部無効にする今回の法案が、英国の政治的、経済的統合を維持する上で「絶対不可欠だ」と主張した。

  しかし与党保守党内では、メイ前首相のほか、ジョン・メージャー氏やデービッド・キャメロン氏ら首相経験者からも異論が噴出。メイ政権で法務長官を務めたジェフリー・コックス氏やジャビド前財務相は、国際法に違反する法案は支持しないと表明し、下院で激しい論戦が繰り広げられた。

  国内市場法案の下では、北アイルランドと英本土との交易に関する税関書類手続き免除のほか、「通商合意なき」離脱移行期間終了となった場合、北アイルランドに入る物品が関税の対象かどうか一方的に決める権限が英国の政務担当者に与えられる。

  英との自由貿易協定(FTA)交渉の場で、妥結できない場合は、英本土から北アイルランドへの食料品の輸送を阻止すると脅したとジョンソン氏はEU側を非難し、「それがあまりに途方もない脅しであり、EUにそれができるとは信じ難いと思えるため、その脅しを無効にするために法案の権限を用いることはしないが、当然ながらその権利は留保する」と述べた。

  これに対し、国際開発相を務めた保守党のアンドルー・ミッチェル議員は「法の支配への支持という点で、英国は世界の非常に困難な地域で灯台の明かりの役割を果たしてきた。われわれの支持は頼りにされており、法の支配を守る義務がある」と反論した。

  保守党の反対派は、離脱協定の条件を修正する前提として、下院であらためて事前採決することを政府に義務付ける修正案を首相に提示したが、14日には採決に付されなかった。

(反対派が提示した修正案などを追加して更新します)

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