(ブルームバーグ): 中国経済の回復ペースが8月に加速した。小売売上高が新型コロナウイルス拡大以降で初めてプラスに転じ、工業生産も伸びが拡大した。

  8月の小売売上高は前年同月比0.5%増、市場予想中央値は横ばいだった。工業生産は前年同月比5.6%増。予想は5.1%増、7月は4.8%増だった。調査ベースの失業率は5.6%に低下した。

  1−8月の固定資産投資は前年同期比0.3%減。0.4%減少と見込まれていた。

  中国経済は新型コロナによる落ち込みから持ち直しており、工業生産は財政刺激策や予想外に堅調な輸出を背景に回復。1日当たりのコロナ新規感染が2桁にとどまる中で、消費も8月に改善し始めた。モノの小売売上高が前年同月比1.5%増となる一方、ケータリングや外食の支出減少ペースは鈍化した。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の王蕊(ベティ・ワン)シニアエコノミスト(香港在勤)は「この数カ月と同じように、今後もコロナを制御できれば年内の着実な回復に向け安定した国内環境が整うだろう」とコメントした。

  中国当局は地政学的対立の激化やコロナ再拡大を巡る可能性が残る中で、国内消費の強化や核心技術の国産化推進に向けた新たな戦略を先に打ち出した。

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  国家統計局は声明で、「中国経済は8月にしっかりと回復した」と評価。その一方で、「雇用や企業、市民の生活を安定させる差し迫った必要性がまだある。持続的な景気持ち直しに向けた基盤を強化する必要がある」と分析した。

(第4段落以降を追加し更新します)

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