(ブルームバーグ): ジョンソン英首相は、欧州連合(EU)と英国が締結した離脱協定に一部違反する内容を含む「国内市場法案」への支持を得るため、与党保守党内の反対派と協議を開始した。

  下院で審議中の国内市場法案を巡っては、離脱協定の一部として合意された英領北アイルランドのプロトコル(手続き)を一方的に一部無効にし、国際法に違反する内容に落胆した与党議員の造反の動きが表面化していた。

  法案は14日に下院の「第2読会」で最初の採決を通過したが、ボブ・ニール氏を中心とする保守党議員十数人は、法案が定める権限を行使する前提として、議会承認を求めることを政府に義務付ける修正を加えようとしている。

  事情に詳しい関係者によれば、ジョンソン首相と政権幹部らは、ニール氏と14日に協議した。来週も激しいやり取りが続くと政府当局者は身構えている。反対派との合意は成立しておらず、ニール氏は自らの懸念に対応するチャンスを閣僚らに与えたいと述べたという。

  ルイス北アイルランド相が先週の下院で、国内市場法案が「限定的な形」ではあるが、国際法に違反すると認めたことを受け、メイ前首相にメージャー、ブレア、ブラウン、キャメロン元首相を加えた首相経験者全員が英国の国際的評判に及ぼすダメージに懸念を表明した。

  バックランド司法相も「容認できない」形で最終的に法が破られれば辞任する可能性があると述べたが、リチャード・キーン・スコットランド法務官が15日の上院で、EUが条約の義務に違反する「偶発的状況」に対処する法案であり、国際法に違反しないと擁護したことで混乱に拍車が掛かった。

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