(ブルームバーグ): 欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は、温室効果ガス排出削減目標の引き上げを提案した。域内の環境汚染基準を厳格化し、環境に配慮した景気回復を促す狙いだ。

  欧州委員会のフォンデアライエン委員長は16日、欧州議会での政策演説で、2030年末までの排出削減目標を1990年比で少なくとも55%減とするよう求めた。現在の削減目標は14年に採択された40%減となっている。

  委員長は、「40%から55%への目標引き上げが厳し過ぎるとの意見もあれば、不十分との意見もあることは認識している」と述べた上で、「しかし欧州委の影響評価からは、域内経済と産業界がこの目標に対応できることが明確に示された」と続けた。

  排出削減目標の引き上げはEU加盟国や欧州議会から幅広い支持を集める公算が大きいが、経済力やエネルギー源が加盟国それぞれに異なる中で、最終的な目標の取りまとめには曲折が予想される。目標の法制化には欧州議会での承認が必要になる。

  EUは2050年までに温暖化ガスの排出を実質ゼロとすることを目指している。

  フォンデアライエン委員長はまた、EUが2250億ユーロ(約28兆円)のグリーンボンドを発行する計画も明らかにした。新型コロナウイルス危機からの景気回復を後押しする7500億ユーロの復興基金の一部に充当され、財源の約30%をカバーする。

  ブルームバーグがまとめたデータによれば、この発行規模は世界で昨年発行された全てのグリーンボンドにほぼ匹敵し、EUは世界最大の発行体となる見通しだ。

EU to Sell 225 Billion Euros of Green Bonds to Fund Recovery (1) (抜粋)

(第4−5段落を追加します)

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