(ブルームバーグ): ジョンソン英首相は、欧州連合(EU)と英国が締結した離脱協定に一部違反する内容を含む「国内市場法案」の下院通過に向け、与党保守党内の反対派が求めていた修正に応じた。

  首相官邸と与党内反対派の16日の共同声明によれば、ジョンソン首相は、離脱協定の一部として合意された英領北アイルランドのプロトコル(手続き)を一部無効にする権限を政府が行使できるかどうかに関し、下院に拒否権を与えることに同意した。

  一方、リチャード・キーン・スコットランド法務官はこの日、法案への対応を巡り辞任した。キーン法務官は首相に宛てた辞表で、「あなたの政策意図と私が考える法務官の職責を両立させることがますます難しく感じられた」と理由を説明した。

  首相は与党内の反対派の懐柔に成功し、法案可決の可能性は高まりそうだ。EU側はそれでも9月末までに撤回しなければ法的措置も辞さない構えであり、緊張が高まることは避けられない。

  国内市場法案は、北アイルランドと英本土との交易に関する税関書類手続き免除に加え、「通商合意なき」離脱移行期間終了となった場合、北アイルランドに入る物品が関税の対象かどうか一方的に決める権限を英国の政務担当者に与える内容となっている。

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