(ブルームバーグ): 1日を始める前に押さえておきたい世界のニュースを毎朝お届け。ブルームバーグのニュースレターへの登録はこちら。

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、十分な政府支援がなければ米国の景気回復は脆弱(ぜいじゃく)なものになると警告し、景気刺激策を過剰に講じても問題にはならないとの見解を示した。

  パウエル議長は6日、全米企業エコノミスト協会(NABE)が主催したオンライン形式の会議で講演。事前テキストによれば、「支援があまりに少なければ景気回復は弱くなり、家計と企業を不必要に苦しめることになる」と指摘。「それに対し、支援が行き過ぎることのリスクは、現段階ではより小さいと思える。政策対応が結局のところ必要以上に大きいことが後に分かったとしても、無駄にはならない」と述べた。

  米景気対策案を巡っては共和党が規模の拡大に反対しており、民主党との協議は膠着(こうちゃく)状態に陥っている。失業保険給付の上乗せや中小企業支援策は夏場に期限切れとなった。パウエル議長の講演の数時間後にトランプ大統領は、追加景気対策パッケージに関する民主党指導部との協議を停止するよう交渉担当者に伝えたと明らかにした。

  パウエル議長は事前テキストで、共和・民主いずれかの立場について明示的に言及したわけではない。

  議長はまた、「経済が困難な状態を明確に脱するまで、金融政策と財政政策が景気支援の面で協調し続ければ、景気回復はより力強く、より迅速なものになる」と述べた。

  「個人消費は失業保険の上乗せ給付が失効した後、8月を通してよく持ちこたえた。これは政府からの各種給付金を貯蓄に回した分が、経済活動を引き続き支えていることを示す」と分析。その上で、「失業期間が長引く人が大勢いると思われることから、追加支援策が必要になる公算は大きい」と指摘した。

  講演後の質疑応答では、「インフレ率低下はしばらくの間、持続的な要因となっている」と述べ、「インフレには依然として下振れ圧力が見られる。中央銀行、そして特に米連邦準備制度はそれを考慮に入れ、それに対して頑強な枠組みに向かうことが適切だと思う」と語った。

(質疑応答での議長発言とトランプ大統領の動きを追加して更新します)

©2020 Bloomberg L.P.