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米大統領選を前に追加景気対策を巡る協議が停止することで、同国民は経済面で新たな打撃を受け、既に鈍化している景気回復がさらに圧迫される恐れがある。

  トランプ大統領は6日、景気対策の規模を巡る見解の相違を背景に民主党側との協議打ち切りを指示。11月3日の大統領選前に対策がまとまらない可能性が高くなった。支援は新たな議会が招集される来年1月または2月まで先送りされそうだ。そうなれば、失業者や中小企業は4−5カ月間、追加支援を受けられない状態が続く可能性がある。

トランプ大統領、追加景気対策案の協議停止を指示−選挙後まで (1)

  景気は回復基調にあったが、今回の決定で10−12月(第4四半期)に失速するリスクにさらされる。新型コロナウイルスの感染拡大が続き、ワクチンもまだ実用化されない中で、経済活動の水準はコロナ禍前を大きく下回ったままだ。

  ウェルズ・ファーゴのチーフエコノミスト、ジェイ・ブライソン氏は「今回のニュースを受け、成長率は7−9月(第3四半期)の約30%から第4四半期に1桁台半ばに減速する可能性が高く、新たなショックがあった場合に経済が影響を受けやすくなる」と指摘した。

  トランプ大統領がツイートで協議打ち切りを発表する数時間前にパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は、十分な政府支援がなければ経済への打撃が長引き、景気回復は弱いものになると警告した上で、支援が行き過ぎることは問題にならないとの見解を示していた。

パウエル議長、十分な政府支援なければ米景気回復は弱まると警告

  グラント・ソーントンのチーフエコノミスト、ダイアン・スウォンク氏は協議打ち切りについて、「パウエル議長がこの日示した悲惨なシナリオが現実のものとなり、特に雇用で経済がより深い傷を受けてリセッション(景気後退)が長引く可能性を高めるものだ」と警告した。

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