(ブルームバーグ): 11月3日の米大統領選に向け、副大統領候補の共和党ペンス副大統領と民主党カマラ・ハリス上院議員によるテレビ討論会が7日夜(日本時間8日午前)、ユタ州ソルトレークシティーで行われた。大統領候補の第1回討論会は非難の応酬となったが、この日の討論は発言時間を割り当てて進められた。

  ハリス氏は討論の冒頭、トランプ政権の新型コロナウイルス対策は歴代政権で最大の失敗だと批判した。ただ、環境問題と連邦最高裁判所判事の問題を巡っては回答を避けた。

  ハリス氏はトランプ政権の新型コロナ対策について、「米国民は歴代政権で最大の失敗を目撃してきた」と発言。「現政権は再選される権利を喪失している」と指摘した。一方、ペンス氏は、「大統領は最初から米国民の健康を第一に考えてきた」と反論。また、大統領が中国からの航空機乗り入れの制限を早期に決定した際、民主党大統領候補のバイデン前副大統領は反対したと主張した。

  その後、ペンス氏はハリス氏に対し、バイデン氏の増税計画と気候変動対策案を説明するように求めた。また、これまでバイデン陣営が回答を避けてきた最高裁の判事増員を行うかどうかについても問いただしたが、明確な回答はしなかった。

  ペンス氏はバイデン氏のコロナ対策案について、トランプ政権が推し進めてきた対策と非常に似通っていると指摘。ハリス氏は、ペンス氏がどう釈明しようと、政権のコロナ対策がうまく行っていないことは明らかだと述べた。

  新型コロナワクチンを巡り、ハリス氏がトランプ政権下で承認されても医療専門家が勧めなければ接種しないと発言したことについて、ペンス氏は国民の命が掛かっているのに政治を優先させていると批判。ハリス氏は「トランプ大統領が接種するよう命じても私は受けない」と明言した。

  司会を務める米紙USAトゥデーのスーザン・ページ氏から、ホワイトハウスはトランプ大統領の健康に関して透明性を高めるべきかとの問いに、ハリス氏はトランプ大統領が納税申告書を開示していないことへの批判に矛先を転じた。ペンス氏は大統領は多くの財務情報を開示しており、大統領の経済政策の方がより重要だと語った。

対中政策、税制

  またペンス氏はバイデン氏が大統領に就任した場合、初日から増税するだろうと指摘。ハリス氏はそれは間違いだと述べ、年収40万ドル(約4240万円)未満の層には増税しないと説明した。

  ハリス氏はトランプ政権が対中貿易戦争に敗北したと主張。貿易戦争によって米製造業で30万人が失業したと述べた。ペンス氏は中国について、新型コロナを巡り米国に誠実に対処しなかったとし、「われわれは中国に責任を取らせる」と語り、バイデン氏を「中国共産党のチアリーダー」と呼んだ。

  ペンス氏はまた、バイデン氏が大統領になれば石油・天然ガス開発でのフラッキング(水圧破砕法)は禁止されるだろうと指摘。ハリス氏はフラッキングが禁止されることはないと述べた。

  討論会後にCNNが実施した調査では、59%対38%でハリス氏が勝利したとの見方が多数だった。

  ペンス氏のパフォーマンスは妥当かつ安定感を感じさせるものであり、副大統領候補同士の討論会としてはその目的を果たしたものと考えられる。

  しかし、ペンス氏が単に所期の目的を達成しただけでは、民主党のバイデン・ハリス陣営に大幅なリードを許している状況を変えるには十分ではなさそうだ。

Harris, Pence Spar Over Trump’s Tax Cuts, China Trade War (抜粋)

Pence Is Steady in Debate But Fails to Knock Harris Off Course(抜粋)

(最後の2段落を追加して更新します。差し替え前の記事では見出しを「ペンス氏」、最後から5段落目を「バイデン氏」に訂正済みです)

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