(ブルームバーグ): 2016年の米大統領選挙の教訓を踏まえると、トランプ大統領が再選を果たす可能性は決して無視できないが、そのチャンスは急激にしぼんでいる。民主党候補のバイデン前副大統領は世論調査でリードを広げ続けており、有権者はトランプ氏の新型コロナウイルス対応に幻滅している。

  政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」によると、トランプ氏は全米の調査で平均9.7ポイント、バイデン氏に後れを取っている。激戦州では5−7ポイント程度の差を付けられている。投票日まであと25日の現時点で、トランプ氏がどう盛り返せるのかは見えない。

  同氏は8日、来週の大統領候補討論会をバーチャル形式で行うことを拒否。不参加なら、選挙の流れを変えるため残された数少ない機会の一つが失われることになる。

  共和党の世論調査専門家フランク・ルンツ氏は8日のブルームバーグテレビジョンで、「あと2回の討論を行わずにどうやってトランプ氏がバイデン氏に追いつくのかが分からない」と述べた。

  民主党は16年の大統領選でヒラリー・クリントン候補が予想外の敗北を喫した記憶から、まだ安心してはいない。同年の選挙まで25日だった時点の世論調査で、クリントン氏はトランプ氏を平均で5.3ポイントリードしていた。

  ただ、バイデン氏の方がクリントン氏よりも好感度が高く、16年にトランプ氏が勝利した数州で優位にあるという違いがある。

  さらに、調査によればトランプ氏は女性のほか、郊外の有権者、年齢が50歳を超えるシニア層からの支持を失いつつある。

  故レーガン、ブッシュ(父)両元大統領のアドバイザーを務めたベテランの共和党ストラテジスト、エド・ロジャーズ氏は「バイデン氏が敗れるとすれば自ら失敗を招く場合に限られるだろう。トランプ、バイデン両氏ともに良い選挙戦をこの先展開するのなら、バイデン氏が勝つように思われる」と話した。

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