(ブルームバーグ): 北朝鮮は10日、少なくとも2年ぶりの規模となる軍事パレードを実施し、米国への核攻撃を可能にするよう設計されたとみられる大陸間弾道ミサイル(ICBM)を披露した。

  この日は朝鮮労働党創建75周年の記念日で、国営メディアが平壌の金日成広場での未明のパレードの様子を伝えた。最後に登場した新型ICBMは、軍事専門家によれば、過去最大級。

  カーネギー国際平和基金のシニアフェロー、アンキット・パンダ氏は、「新型ICBMは2019年12月に金正恩党委員長が披露すると予告していた『新たな戦略兵器』であるのはほぼ確実だ」と述べ、「北朝鮮は米国との交渉を探る一方で、このシステムに取り組んでいた」と指摘した。

  グレーのスーツに身を包んだ金委員長は時刻が午前0時を回った後に姿を現し、バルコニーから群衆に対し、「われわれは戦争抑止力を強化し続ける。敵対勢力によって悪化するばかりの核の脅威を含む、あらゆる危険な企てや脅しを阻むためだ」と述べてから、北朝鮮は兵器を「決して先制使用しない」と表明。その上で、「われわれに対して軍事力を行使しようとする勢力には、わが国の最も強力な攻撃力を先制して動員し懲らしめる」とも述べた。具体的な国名は挙げなかった。

  韓国に対しては、新型コロナウイルス感染拡大からの迅速な回復を願うとし、コロナ危機が収束後、南北が手を携えて協力できることを望むと呼び掛けた。  

  軍事専門家は「北極星4A」と呼び注目していた潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)にも目を留めた。韓国全土と日本の大半が射程内に入り得る戦略兵器だ。

 

  金委員長は台風や洪水、米国主導の制裁に見舞われたここ1年を振り返った際は感情が高ぶった様子だった。「今年の困難な環境にどれほどの人民が耐え忍び苦しんだのだろう」と語る委員長は泣いているように見えた。隔離所や災害復旧の最前線にいる「朝鮮人民軍の兵士らの愛国的な献身に感謝の涙なしに応えることはできない。この栄光ある夜に彼らのそばにいられないのは痛恨の極みだ」と述べた。 

  披露されたICBMは、北朝鮮が17年11月に試射した「火星15号」より大きく、防衛システムをかいくぐることのできる多弾頭を搭載するよう設計されているとみられる。昨年には技術を改善させる新たなエンジンテストを実施していた。

(新型ICBMについて追加して更新します)

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