(ブルームバーグ): 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に起因する貸倒損失について、米銀は万全の備えをしようとしている。

  ブルームバーグがまとめた調査によると、アナリストらは米銀大手4行が7−9月(第3四半期)に不良債権引当金を約100億ドル(約1兆540億円)積み増したと見積もっている。政府と連邦準備制度による支援措置がこれまでのところ貸し倒れの急増を食い止めているが、今後に備える考えだ。

  第3四半期の引当金の見積りは1−6月(上期)のペースに比べればはるかに少ないが、合計の引当額は新型コロナ感染の始まりからこれまでの損失をカバーするばかりでなく、将来の痛みに備えて500億ドルほどを積むことになる。

  投資家の疑問は、それが通常の用心からなのか、支払い猶予プログラムの縮小や追加景気対策を巡る合意の遅れの中で銀行が何らかの懸念すべきサインをつかんでいるのかだ。

  JPモルガン・チェースのジェニファー・ピプスザック最高財務責任者(CFO)は先月、「現在の状況が結局のところどう展開するのか、依然として極めて大きな不確実性がある。消費者については特にそうだ」と語っていた。ただ、「考えていたよりは状況は良いように見受けられる」とも述べた。

  JPモルガンやバンク・オブ・アメリカ(BofA)など大手銀行は今週、決算を発表する。一部債権の不良化により償却がネットベースで若干増えるとアナリストは見込んでいるが、銀行はロックダウン(都市封鎖)や失業増の影響に備えており、貸倒引当金はこれを上回っているだろう。JPモルガンは上期に既に、クレジットカードでの損失に備えた引当金を66億ドル積み増している。

  モルガン・スタンレーのアナリスト、ベッツィ・グラセック氏は、第3四半期の貸倒引当金は前四半期から61%程度減少するとみている。「引き当てがどのくらい減るかは分からないが、積み増しは完了に近いはずだ」と同氏は指摘した。

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