(ブルームバーグ): 米エヌビディアによる英半導体設計会社アームの買収について、華為技術(ファーウェイ)など中国のテクノロジー企業が強い懸念を中国当局に表明しており、ソフトバンクグループによる400億ドル(約4兆2200億円)規模でのアーム売却が進まない可能性が浮上している。事情に詳しい関係者が明らかにした。

  中国で影響力の大きいテクノロジー企業数社が国家市場監督管理総局(SAMR)に取引成立を阻止するか、アームの技術へのアクセスを確実にする条件を付すよう働き掛けている。非公開情報だとして関係者が匿名を条件に語った。

  中国勢が最も懸念しているのは、コンピューターグラフィックス(CG)用半導体製造で最大手エヌビディアがアームに中国の顧客との取引を打ち切るよう強いることだという。関係者の1人によると、ファーウェイなどはエヌビディアから大幅な譲歩を引き出すかアームの買収そのものを認めないようSAMRに求めている。米企業による買収でアームが米国の管轄下となれば、同社の半導体業界における中立性が脅かされるとの見方もある。

  ファーウェイの担当者はコメントを控えた。SAMRに電話とファクスでコメントを要請したが、返答はなかった。

  エヌビディアの担当者は、当局からの承認は得られるとの自信を示したジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)による今月の発言を参照するよう求めた。同CEOはアームの開発者会議で、「この取引の論理的根拠とわれわれの計画を説明し次第、世界中の当局が両社は相互補完的だと認識するだろう」と指摘し、「補い合う2社が統合すれば新たなイノベーションが生まれ、市場にとっても良いことだ」と述べた。

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