(ブルームバーグ): ソフトバンクグループの孫正義社長は29日に開かれたイベントで、400億ドル(約4兆2000億円)規模に及ぶ英アームの米エヌビディアに対する売却について、「売ったような買ったような不思議な関係だ」と述べた。今後はソフトバンクGがエヌビディアの筆頭株主になり、協業していくとの認識も示した。

  エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)とオンラインで対談した孫社長は、4年前にフアン氏をカリフォルニアの自宅に招き、庭で3−4時間ワインと食事を共にしたエピソードを披露。当時語り合った「夢がかなった」とも話した。

  一方、フアンCEOはアームの魅力について、顧客と協力して一つの製品をつくるエコシステムが最も価値ある部分だと指摘。買収の狙いは「アームのエコシステムにエヌビディアを参加させること」にあると説明した。

 

  ソフトバンクGは9月、ビジョン・ファンドとともに保有する半導体設計子会社のアーム全株式を、コンピューター・グラフィックス(CG)用半導体製造で最大手のエヌビディアに売却すると発表した。

  発表資料によると、エヌビディアによる買収は現金と株式を組み合わせる形で行われ、ソフトバンクGとビジョン・ファンドは現金100億ドルと215億ドル相当のエヌビディア株を受け取る。取引完了後のエヌビディア株の保有比率は6.7%から8.1%となり、最大保有時には筆頭株主になる可能性を示していた。

  英国や中国、欧州連合(EU)、米国を含む規制当局の承認などが必要なことから、取引の完了は2022年3月ごろとなる見込みだ。

  孫社長が基調講演したのは、国内通信子会社のソフトバンクが主催した法人向けイベント「ソフトバンクワールド2020」。新型コロナウイルス対策のため、9回目で初のオンライン開催となり、マイクロソフトのサティア・ナデラCEOらも登壇する。イベントは30日まで開かれる。

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