(ブルームバーグ): 中国のアント・グループによる新規株式公開(IPO)の延期は、アリババグループ創業者の馬雲(ジャック・マー)氏が動かすフィンテック帝国の影響力を弱めようとする中国当局の新たなキャンペーンの始まりにすぎない。

  350億ドル(約3兆6700億円)という史上最大規模となるはずだったIPOが上場直前で中止され、市場にはショックが広がっている。

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  事情に詳しい関係者によれば、当局が今標的としているのはアント最大の収入源である、銀行など金融機関からの融資を中国全土の消費者に提供する与信プラットフォームだ。

  中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)は銀行など資金の貸し手にアントのプラットフォームを使わないよう促す方針で、すでに一部の貸し手には2日に公表した厳格な融資向けファンディング規制案にポートフォリオが確実に準拠するよう求めている。非公開情報だとして関係者が匿名を条件に語った。

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  当局のアントに対する計画の全容は不明で、アントが当局の要請に従えば銀行などの貸し手が同社との取引を続ける可能性もある。

  アントはブルームバーグの質問に答え、「引き続き、パートナー銀行が独立した与信決定をするのを支え、消費者と小規模企業の役に立つためアントのテクノロジープラットフォームを活用していく」とコメントした。

  銀保監会にコメントを求めたが返答はなかった。

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