(ブルームバーグ): 今年1月から10月までの特別買収目的会社(SPAC)による新規株式公開(IPO)では、610億ドル(約6兆3600億円)の記録的な資金が調達された。ただ、ここから先は投資家の行動が一層慎重になる可能性がある。

  ゴールドマン・サックス・グループの米SPAC責任者オリンピア・マクナーニ氏は3日のインタビューで、「SPACの公開は非常に大きく伸びており、今後の市場はより選別的になるとわれわれは予想している」と語った。

  同氏は、今年の米SPAC市場は「恐らく熱狂的過ぎる」と指摘。ファンドマネジャーが消化不良のような状況に対処するに伴い、取引量はより「理性的」になると予想した。投資家がより多くの資金をSPACに割り当てていることから、投資家の中にはSPACへのエクスポージャーが社内規定の上限に達したところもある。 

  ブルームバーグが集計したデータによると、米国の取引所で今年166社のSPACが調達した額は、昨年の同じ時点で38社が調達した額の約7倍。今年の調達額の合計は、過去全ての年を合計した720億ドルに迫っている。SPACによるIPOは、10月に過去最多の合計170億ドルを調達。調達額は4カ月連続で100億ドルを超えた。

  もっとも、10月のSPACによるIPO申請件数の減少は、申請日とその後のIPOまでの時間にずれがあるため、将来の減速を示唆しているかもしれない。一般的にSPACは、予定調達額を決めた上で米証券取引委員会(SEC)に申請書類を提出し、その後数週間以内にIPOが可能となる。

  SPACが勢いを失いつつある可能性を示すもう一つの兆候として、10月のIPOの約6割が公開価格を下回って取引されていることをデータが示している。

  ただマクナーニ氏は、「一部の投資家は今年の残りの期間はSPACをさらに厳選すると話しているが、質が高く、特徴のある経営陣が率いるSPACについては引き受け続けるだろう」と語った。

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