(ブルームバーグ): イングランド銀行 (英中央銀行)は5日、債券購入プログラムを1500億ポンド(約20兆3000億円)拡大すると発表した。新型コロナウイルス感染第2波に伴う制限の中で経済を支えるため、予想以上の拡大を決めた。

  ベイリー総裁率いる金融政策委員会(MPC)は、国債購入枠を8750億ポンドに引き上げることと政策金利を0.1%に維持することを全会一致で決定した。エコノミストらは1000億ポンドの購入枠拡大を予想していた。社債購入枠は200億ポンドで据え置かれた。

  5日からは新型コロナ感染抑制のため4週間の部分的ロックダウン(都市封鎖)が始まる。スナク財務相は企業と家計への支援について議会で同日中に説明する。封鎖地域での一時帰休労働者に対する政府支援をロックダウン終了予定の12月2日以降まで延長する見込みだとサン紙が報じた。財務省はコメント要請に応じていない。

  ベイリー総裁は5日の政策発表後の記者会見で、「迅速で強力かつ協調した行動を取ることが重要だ。異例の状況であり、それは全く終わってはいない」と語った。

  追加の債券購入は2021年1月から開始し、同年末までに終了する。市場の機能が悪化すれば購入ペースを加速させる準備があるとし、2%のインフレ目標を達成するために「必要なあらゆる追加措置を取る」と表明した。

  総裁は「中銀の使命を果たすために必要な行動を取る余地があると確信している」と述べた。

  今年3月以降、金融緩和はこれが4回目。潤沢な流動性供給によって借り入れコストを低く抑え、新型コロナ対策のための巨額支出を余儀なくされる政府を支援している。

  英中銀は成長見通しを引き下げた。7−9月(第3四半期)の予測を下方修正したほか、10−12月(第4四半期)は2%のマイナス成長を見込む。20年通年の落ち込みは想定より大きくなり、21年の回復ペースは遅く、危機前の水準を回復するのは22年に入ってからと予想した。ただ、ベイリー総裁は「リセッション(景気後退)の二番底にあるとは考えていない」と述べ、2四半期連続のマイナス成長は予想していないことを示した。

  危機前の水準から2倍以上に拡大された債券購入プログラムは、欧州連合(EU)離脱による衝撃を和らげる役割も果たす。

(第2、3、5、8段落に加筆し、第4、6段落に総裁のコメントを追加します)

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