(ブルームバーグ): NTTが社債発行を準備していることが13日、分かった。複数の関係者によると、総額5000億円以上を目指す。NTTは9月にNTTドコモの完全子会社化を決めており、買収資金に充てるため大型の資金調達に踏み切る。

  関係者によると、年限は3、5、7、10年の4本立て。発行規模は市場状況によって変更するとしている。総額5000億円を超えた場合、国内での一度の起債額として最大となる見込みだ。NTTの起債については13日付日本経済新聞朝刊が報じていた。日経によると主幹事はSMBC日興証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券、みずほ証券、野村証券、大和証券が務める。

  NTTの広報担当者は起債の計画は認めた上で、タイミングや規模についてはコメントを控えた。

  国内の第5世代(5G)移動通信システム活用や次世代の通信技術開発競争が激化する中、NTTはドコモを完全子会社化して意思決定のスピードを速めたい考えで、ドコモに対し総額4兆2545億円で株式公開買い付け(TOB)を実施している。買い付け期間は16日までで、今期(2021年3月期)中に完全子会社化する予定。

  NTTは発行済み株式総数の3分の1以上を政府が保有することが法律で定められており、新株発行による資金調達は難しい。このためNTTの澤田純社長は10月のインタビューで、まず銀行の協調融資を受け、借り換えのための社債発行を視野に入れているとの見方を示していた。円債だけでなくドル建て債の発行も検討しているとしている。

  澤田社長は、通信領域での米中摩擦激化はNTTが世界展開を拡大するチャンスだとみる。NTTはあらゆる情報処理基盤に光技術を取り込み、高速かつ省エネの情報処理を実現する「IOWN(アイオン)」構想を19年に提唱。インテルとソニーを巻き込んでグローバルフォーラムを結成し、マイクロソフトや富士通、トヨタ自動車などが参加している。固定通信と無線通信の融合でサービスの幅を広げる考えだ。

  国内社債市場ではセブン&アイ・ホールディングス(7&iHD)が3本立てで最大4000億円を今月下旬にも起債する見通し。日本企業による大型合併・買収(M&A)の増加とともに社債発行額も大型化する兆しがある。現時点で、ソフトバンクグループや武田薬品工業、パナソニックが発行した5000億円が最大となっている。

(4、5段落を加筆し、6段落を追加します)

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