(ブルームバーグ): 今年は他に類を見ない1年だった。

  前例のない健康危機の大打撃を受け、世界の株式相場は記録的スピードで弱気相場入りした後、中央銀行の大量資金供給のおかげで反発し最高値を更新。債券利回りは未知の低水準に降下した。世界の準備通貨は最高値に急騰したが、その後2020年終盤にかけて約2年ぶりの安値圏に沈んだ。

  ブラックロックやJPモルガン・アセット・マネジメントといった世界の資産運用会社は、波乱の1年を踏まえて投資家向けに留意点をまとめており、その一部を以下に示す。

ポートフォリオにおける債券の役割再考を

  3月に市場が機能停止状態に陥った際に世界の金融当局が打ち出した大規模な刺激策は、株式相場と債券相場の長年の逆相関関係を断ち切る1例となった。 米10年債利回りは0.3%から1週間以内に1%に上昇した中で、株式市場は下落を続けた。

  経済成長が上向く中でも長めの金利が低下する現状、先進国の国債がインカムゲインを求める投資家を十分に満足させながら、引き続き守りと分散投資の機会の両方を提供できるか疑念が浮上している。ファンドの資金の6割を株式、4割を債券に投じる伝統的な投資方針は、この1年に粘り強さを見せたとはいえ、その意義を巡り論議もある。

JPモルガン・アセットのポートフォリオ・マネジャー、ピーター・マローン氏は「次の経済サイクルでは金融・財政政策が連携し、現代では最も積極的な財政刺激策が見込まれる」と指摘。「シンプルで不動の株・債券ポートフォリオからのリターンは将来、抑制される公算が大きい」との見方を示す。

  ウォール街の大手金融機関の中には、債券の役割の変化に適応すべくリスク選好を高めるスタンスを取るよう推奨する声も聞かれる。ブラックロック・インベストメント・インスティチュートは12月初旬に公表したリポートで、株式とハイイールド債を注目するよう投資家に勧めた。

「FRBと闘うな」

  20年に見られた市場の急反転を予期していた人はほとんどいなかっただろう。新型コロナウイルスの感染が拡大する中、S&P500種株価指数はわずか4週間で30%急落。底打ちまで約1年半(中央値)かかった過去の弱気相場より急ピッチな大幅下落を演じた。

  その後、政府と中銀が流動性供給で経済の支えとなり、株価は驚くべきペースで急反発。約2週間でS&P500種は3月23日の安値を20%上回る水準に回復した。

アディティヤ・ビルラ・サンライフAMCのマヘシュ・パティル共同投資責任者(CIO)は、市場が急速に動く中で「この相場上昇の中で居眠りしてしまい、後れを取り戻すことが難しい状況だった」人もいるだろうと指摘する。

  ベアリングスで中国以外のアジア株責任者を務めるスーハイ・リム氏は、スピーディーな相場回復は「米連邦準備制度理事会(FRB)と闘うな」という古い相場格言の健在ぶりを証明したと述べた。

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